小倉記念
レース回顧

アールスターは中団の内をロスなく進み、直線で最内からメンバー2位の34.8秒でスパッと抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分57秒5。ミスディレクションが逃げて前半5F58.1秒の速い流れ。勝負どころでロードクエストが大外から早めに捲ったことで前に行った馬が壊滅状態になり、差し追い込み馬が1〜4着を独占した。最低14番人気のアメリカズカップが差して4着に入ったことが前崩れを如術に表している。アールスターは前走垂水Sで6着に終わり格上挑戦だったが、デビュー以降最軽量の53キロで重賞初制覇を飾った。これで芝2000mは[4−2−1−4]。昨年の英彦山特別を1分59秒4で勝った馬が持ちタイムを1.9秒詰めて高速決着に対応した。母の父サッカーボーイは函館記念を日本レコードで優勝。高速決着で血が騒いだか。関東から関西に移籍した長岡騎手(26歳)は重賞初制覇となった。杉山調教師の信頼を得て重賞の舞台を掴み取り結果を出した。今後もアールスターに騎乗する予定。

サトノガーネットは最後方からメンバー最速の34.3秒で追い込んで0.2秒差の2着。最後に大外から凄い勢いで伸びてきたが、内をロスなく回ってきたアールスターを交わせなかった。アールスターより2キロ重い55キロ(牝馬)を背負っており勝ちに等しい内容。五稜郭S、中日新聞杯を大外一気で勝ったように並の馬では届かない位置から伸びてくるタイプ。今回はハイペースで前崩れの展開が嵌まったが、新馬戦以来の騎乗となった松山騎手が持ち味を引き出した。

アウトライアーズは後方2番手から勝負どころで中団に押し上げ、メンバー3位タイの35.1秒で伸びて0.4秒差の3着。大穴で狙った馬がブービーの13番人気で激走した。昨年の小倉記念は追い込んで0.4秒差の6着だったが、直線で前が詰まってまともに追えなかった。今年の小倉大賞典は追い込んで0.8秒差の5着だったが、勝負どころと直線でスムーズさを欠いていた。開幕週の走りやすい馬場、54キロの軽ハンデ、前崩れの展開。また条件が揃ったら注意したい。

プリディカメントは1枠1番から出遅れて後方を進み、メンバー5位タイの34.4秒で最内から追い込んで0.5秒差の8着。最後は前が詰まって脚を余した。4コーナーでロスなく回って押し上げ、あとは直線で伸びればというレースをしたが、内を突いたぶんいつもほど切れる脚を使えなかった。馬体の造りが目立つ馬。嵌まれば重賞でやれる力はありそうだ。

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