神戸新聞杯
レース回顧

コントレイルは内枠スタートから内めの8番手につけ、直線で馬群を捌いてメンバー2位の35.6秒で抜け出し2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分12秒5。パンサラッサが逃げて前半5F59.9秒、後半5Fは60.3秒。道中ラップの緩みがなく、地力が問われるレースになった。コントレイルは直線で軽く気合をつけられただけ。抜け出してからは流す余裕があった。道中馬群に包まれて危ない面もあったが、福永騎手が落ち着いて捌いてきた。無敗の2冠馬が能力の違いを見せつけた。本番の菊花賞に向けて余裕を残して勝てたことは大きい。休み明けでも無敗で3冠を狙っているため、馬体は太め感なく仕上がっていた。春より馬体に芯が入ってしっかりしてきており着実に成長している。菊花賞では父ディープインパクト以来となる無敗の3冠を目指す。体型的に距離に不安がない訳ではないが、馬場が極端に渋って悪化するようなことがなければ3冠を達成する可能性は高そうだ。

ヴェルトライゼンデは大外18番枠スタートからメンバー最速の35.4秒で大外から追い込んで0.3秒差の2着。ホープフルS、ダービーでコントレイルの2、3着に入った馬が最速上がりを繰り出して2着に突っ込み地力を示した。道中内に入れて3、4コーナーをロスなく回ってきた池添騎手の乗り方も大きかった。中間に熱発があったと発表されたが、予想に書いた通り、社台の馬の熱発情報は買いのことが非常に多い。G1実績馬が熱発情報と大外18番枠(中京芝2200mで8枠は好成績)によって3番人気だった。次走は菊花賞。半兄ワールドプレミアは神戸新聞杯3着から菊花賞を制した。一度使った上積みと距離延長でコントレイルとの差をどこまで詰められるか。

ロバートソンキーは道中馬込みの12番手を進み、直線で内からメンバー3位の35.7秒で伸びて0.3秒差の3着。2着ヴェルトライゼンデとはクビ差。前走芝1800mの1勝クラスで2着に負けた馬が格上挑戦のG2で14番人気で激走した。先週のローズSでも前走1勝クラスで2着に負けたムジカが14番人気で2着に激走している。今年の3歳馬はトップレベルを除きレベルが低いため、格下馬でも通用している。デビューから3戦連続で最速上がりを繰り出したように追って味のあるタイプ。体型的に大排気量エンジンを搭載している可能性がある。祖母トウカイテネシーは無敗の2冠馬トウカイテイオーの全姉。競走馬のレベルが下がり、古き時代の名馬の血が復活してきたか。次走菊花賞に向かうのかはオーナーと相談してからになる模様。

ディープボンドは2、3番手からメンバー8位の36.4秒で伸びて0.5秒差の4着。スローペースになると切れ負けするため、ある程度流れたのは良かったが、結果的に上位3頭の決め手に屈した形。それでも前に行った馬の中では最先着。休み明けで馬体が6キロ増えて少し余裕残しの仕上げだった。コントレイルと同馬主のキズナ産駒。レースを使われながら少しずつパフォーマンスアップしている。

レクセランスはスタートで寄られて後方を進み、直線で荒れた内を捌きながら伸びて0.9秒差の7着。中団あたりからもう少しスムーズならもっとやれたのではないか。まだレースが下手なため、フルゲート18頭で内枠では厳しかったか。デビューから3連勝したレースは13、7、6頭立てだった。ディープインパクト産駒でも地力タイプ。次走は菊花賞。スタミナはあるが、高速馬場で上がりが速くなり過ぎないことが条件。

アイアンバローズは中団の後ろから徐々に位置取りが悪くなり、直線で大外からメンバー6位の36.2秒で伸びて1.0秒差の8着。直線で外に振られるロスがあった。母パレスルーマーは米セールで社台が110万ドルの高額で購入した馬で産駒から米G1馬が出ている。セレクトセール1億円で取り引きされた馬。相馬眼的に馬体の造りが目立つ馬。これからキャリアを積めば長い距離で走ってくる。

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