府中牝馬S
レース回顧

サラキアは中団の外からメンバー最速の35.7秒で差し切って3馬身差で圧勝。勝ちタイムは1分48秒5(重)。トロワゼトワルが逃げて前半5F59.6秒、レースの上がりは36.2秒、ラップは11.8−11.9−12.5秒。重馬場で上がりの掛かるレースになり、差し追い込み馬が上位を独占した。8頭立てのレースで7−6−8番人気で決着。最近の重賞はメンバーレベルが低いため、重賞実績のない馬でも通用している。サラキアは道悪では不振だったが、ベストの芝1800m、開幕2週目の馬場、外が伸びる馬場で道悪を克服し、重賞初制覇を飾った。先週の毎日王冠は全弟のサリオスが制している。北村友騎手では[3−1−0−0]。必ず最速上がりを繰り出しているように手が合うのだろう。次走は昨年6着のエリザベス女王杯でG1制覇を目指すことになりそうだ。

シャドウディーヴァは後方2番手からメンバー3位の36.0秒で追い込んで0.5秒差の2着。東京新聞杯で2着に入った馬が得意の東京で激走した。勝ったサラキアは昨年のエプソムC2着馬。東京の牡馬混合重賞で連対のある馬がワンツーを決めた。シャドウディーヴァは飛びが大きく道悪は得意ではないが、開幕2週目の馬場で展開が嵌まればこれくらい走れるのだろう。4着に入りその後1、2戦で激走するパターンが続いている。内田博騎手はセントライト記念・バビット1着、サウジアラビアRC・セイウンダイモス3着、毎日王冠・ダイワキャグニー2着と重賞で乗れている。

サムシングジャストは最後方から最内を突いてメンバー2位の35.9秒で追い込んで0.7秒差の3着。同コースの初音Sでサトノダムゼル(新潟記念5着)に勝った馬が最低の8番人気で激走した。馬場の内側は荒れているが、道悪巧者で荒れ馬場もこなすため、松山騎手は内を突いたのだろう。前走クイーンSは武豊騎手が大外をブン回して9着に終わったが、主戦の松山騎手に戻って重馬場を味方に激走した。

トロワゼトワルは前半5F59.6秒で逃げ、メンバー5位の36.9秒で上がって0.7秒差の4着。緩い馬場はこなせるが、重馬場、芝1800mとも初めて。内が荒れて外が伸びる馬場も合わなかった。気温が高い夏場は体が柔らかいが、寒くなると硬くなってそのぶん伸び切れなくなる点に注意したい。

ラヴズオンリーユーは4番手から伸び切れず0.8秒差の5着。上がりはメンバー4位の36.5秒。逃げたトロワゼトワルを交わさなかった。休み明けで馬体が12キロ増えて少し緩い造りだった。オークスでカレンブーケドールに勝った馬。カレンブーケドールのその後の活躍を考えると物足りなさが残る。馬体のバランス、走りのバランスが悪いせいか。

ダノンファンタジーは2番手から早めに先頭に立ったが、直線で一杯になって1.1秒差の6着。中盤にラップが12.2−12.7秒と緩んだところで前との差を詰め、自分はずっときついペースで走っていた。馬が川田騎手に嫌気をさしている感がある。こういう馬は外国人騎手が騎乗すると一変するので注意したい。

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