エリザベス女王杯
レース回顧
ラッキーライラックは大外枠スタートから12番手につけ、勝負どころで外から動いて4コーナーで3番手に押し上げるとメンバー3位タイの33.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分10秒3。ノームコアが逃げて前半5F59.3秒の速い流れ。道中の最も遅いラップが12.3秒で流れが緩まず、前に行った馬は直線で失速し、後方で脚をタメたノーザンファーム生産馬3頭で決着した。過去4年の前半5Fは61.8秒、62.0秒、61.4秒、62.8秒でスローペース。社台の馬はみなノームコアが速い流れで引っ張ることを知っていたのではないか。ラッキーライラックは外を回って早めに動く強気なレースでエリザベス女王杯2連覇を達成。昨年はスローペースで内を突いて差し切ったが、今年は速い流れで外を回って横綱相撲で制し、昨年よりパフォーマンスを引き上げた。大阪杯勝ち馬で本来は牡馬混合G1の天皇賞(秋)に出走すべき馬だが、社台がアーモンドアイの8冠を優先したのだろう。香港に登録していないため、次走の有馬記念がラストランになりそうだ。
サラキアは後方からメンバー最速の33.7秒で追い込んでクビ差の2着。府中牝馬Sを最速上がりで3馬身差で圧勝した馬が距離2200mを克服し、初めてG1で連対した。昨年のエリザベス女王杯は直線で前が詰まる不利があり0.4秒差の6着。スムーズなら馬券圏内に入る下地はあったが、府中牝馬Sで重馬場、今回距離2200mを克服したように力をつけているのだろう。サリオスの全姉。兄弟が活躍すると一緒に活躍するパターンが多い。これで北村友騎手では[3−2−0−0]。乗り難しい馬だが、北村友騎手が騎乗するとまともに走っている。今年のG1で北村友騎手は[1−3−2−7]、5番人気以内なら[1−2−2−0]で複勝率100%。サラキアは5番人気だった。
ラヴズオンリーユーは中団の後ろからメンバー2位の33.8秒で伸びてクビ+クビ差の3着。直線で外から鋭く伸びてきたが、最後にサラキアに交わされた。昨年のエリザベス女王杯は2番手から3着に粘ったが、今年は差すレースをして同じ3着だった。これで阪神&京都では[3−1−2−0]で3着以内を確保。最終調教では馬体を大きく見せ、動き、気配が良くなっていた。前走府中牝馬Sは不甲斐なかったが、さすがに矢作厩舎は仕上げが上手い。これでMデムーロ騎手は16年以降[2−0−3−0]で3着以内を確保。
ウインマリリンは3番手からメンバー7位の34.4秒で伸びて0.4秒差の4着。1、2、3、5着馬は道中11番手以下で脚をタメた馬。それを考えると3番手から粘ったことは評価できる。道中内ラチ沿いをロスなく回り、勝負どころで外から捲られても内で我慢したことが良かったのだろう。前走秋華賞は15着に終わったが、デアリングタクトが勝ったオークスで半馬身差の2着に入った馬があらためて能力を示した。長距離輸送が良くないのか、今回もパドックでイレ込み気味だった。今後はひと息入れることになりそうだ。
センテリュオは後方3番手からメンバー3位タイの33.9秒で追い込んで0.5秒差の5着。スタートは出たが徐々に位置取りが悪くなり、勝負どころで外から上がった馬を先に行かせてから追い込んできた。ラッキーライラックと同じ上がりを繰り出したが、結果的に位置取り&踏み遅れ負け。昨年のエリザベス女王杯はルメール騎手が騎乗して早めに動いて0.3秒差の4着。戸崎騎手は阪神&京都、3歳&古馬混合の芝G1で[0−2−1−26]、5番人気以内では[0−1−1−11]。ルメール騎手とは大きな差がある。
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