チャンピオンズC
レース回顧

チュウワウィザードは中団から徐々に進出し、メンバー最速タイの36.4秒で差し切って2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分49秒3。エアアルマスが逃げて前半3F36.5秒、5F60.3秒。昨年は前半3F36.6秒、5F60.8秒、後半5F59.8秒で前残りになったが、今年は後半5F60.8秒で前半より掛かり差し馬2頭で決着した。レベルが高かった昨年のチャンピオンC1、2、3、4着馬が今回4、2、3、1着で上位を独占した。チュウワウィザードは昨年直線で前が詰まって外に持ち出すロスがあり0.3秒差の4着に終わったが、今年はスムーズなレースをしてジベンジした。これで[10−3−4−1]、ダ1800mは[5−2−1−1]。G1はJBCクラシック、川崎記念に続き3勝目となった。昨年は上がり35.7秒、ラスト1Fが12.1秒、今年は上がり37.0秒、12.9秒。差すレースをして昨年より上がりが掛かったことが良かったのだろう。戸崎騎手は関西圏で3歳以上のG1[1−2−1−40]で初初制覇となった。関西圏で3歳以上の芝G1では[0−2−1−32]で未勝利。今年のG1で先週まではノーザンファーム生産馬10勝しているが、サンデーRが7勝、シルクHCが3勝、個人馬主は0勝。チュウワウィザードは個人馬主のノーザンファーム生産馬。クリソベリルの走りを見ると社台が調整を入れてきたか。帝王賞、JBCクラシックはクリソベリルに完敗したが、今回はクリソベリルがまともに走っていない。今後はひと息入れて優先出走権を獲得したサウジC、ドバイワールドCを目指すことになりそうだ。

ゴールドドリームは中団の後ろから徐々に進出し、メンバー3位タイの36.6秒で伸びて0.4秒差の2着。昨年はクリソベリルと同じメンバー2位の35.4秒で上がってクビ差の2着に負けたが、今年はクリソベリルが2キロ増で枠の内外が逆転していた。ただしクリソベリルはまともに走っていない。2走前の平安S3着は海外遠征明け、前走南部杯6着は高速決着が敗因。これで17年以降、叩き2戦目のG1は[2−3−0−0]。南部杯をひと叩きされて今年も実力を示した。次走は状態面次第で東京大賞典に向かう予定。来年も現役を続行し、フェブラリーSを視野に入れている。クリソベリルもゴールドアリュール産駒。ゴールドドリームは種牡馬入りしても需要が少ないのか。

インティは2番手からメンバー10位の37.4秒で上がって0.4秒差の3着。昨年逃げて1分48秒7で走って0.2秒差の3着に入った馬が、今年は1分49秒7で走って再度3着に粘った。今年はフェブラリーS14着、南部杯9着と精彩を欠いていたが、これで中京ダ1800mは[2−0−2−0]。叩き2戦目、得意コースで武豊騎手が2番手でうまく折り合って粘らせた。今後は東京大賞典または東海Sを使ってフェブラリーSに向かう予定。

クリソベリルは8枠15番から7番手につけ、向こう正面で3番手に押し上げたが、直線で伸び切れず0.6秒差の4着。上がりはメンバー9位の37.3秒。大排気量エンジンを搭載しており、この流れなら好位からあっさり抜け出せる馬だが、体調がひと息だった模様。中8週以内で使ったことがない馬が中4週で使って馬体12キロ増。川田騎手は「今の具合でよくここまで来てくれた」とコメント。国内8戦8勝で断然人気になるノーザンファーム生産馬を社台、キャロットF、音無厩舎、川田騎手が仕上げに不安がある状態で出走させたことを忘れないようにしたい。キャロットFは今年のG1未勝利だが、社台は勝ちに来なかったのは、他で勝ってトータルの賞金が3位だからか。土曜のチャレンジCを勝ったレイパパレの馬主はキャロットF。今年のG1で川田騎手は[0−1−1−15]で連対率5.9%。売り上げが多いレースで断然人気になると変な負け方をするので注意したい。クリソベリルはひと息入れて賞金が10億のサウジCを目指すことになりそうだ。こういうタイプは一度楽を覚えると急に走らなくなることが多いので注意したい。

モズアスコットは後方3番手からメンバー最速タイの36.4秒で追い込んで0.7秒差の5着。距離1800mを克服し大外から猛然と追い込んできたが、位置取りが後ろ過ぎた。今年のフェブラリーSを勝ったダートG1馬。ラストランを無事に終えた。17年の三鷹特別(1000万条件)を勝ったときに相馬眼ニュースで取り上げた馬。芝では安田記念、ダートではフェブラリーSを制した。今後は種牡馬入りする予定。

カフェファラオは中団の外からメンバー6位タイの37.1秒で伸びて0.9秒差の6着。1〜5着はG1馬。現時点では力が足りなかった。今年のG1でルメール騎手は[8−3−0−6]、ノーザンファーム生産馬は[7−3−0−6]、それ以外は[1−0−0−1](1着モズアスコット)。ノーザンファーム生産馬で馬主が社台なら[7−2−0−4]、個人馬主は[0−1−0−2]。カフェファラオは非社台の個人馬主。ルメール騎手は社台を忖度し、個人馬主では勝たないように騎乗する点に注意したい。出遅れたり、馬群に包まれたり、荒れた内を突いたり、負け方が上手い。カフェファラオは新馬戦を勝った後に相馬眼ニュースで取り上げたこの世代唯一のダート馬。ちなみに3歳牝馬はデアリングタクト。カフェファラオは3歳同士ではトップレベル。相馬眼的に評価できる馬は古馬になっても強くなる。東京ダ1600mでは2戦2勝。来年のフェブラリーSで注目したい。

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