中日新聞杯
レース回顧

ボッケリーニは1枠スタートから6番手の内につけ、直線で馬群を捌いてメンバー最速の33.5秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは2分00秒1。タガノアスワドが逃げて前半5F61.5秒のスローペース。後半5F58.6秒、ラスト4F11.9−11.5−11.1−11.8秒。緩い流れで高速ラップの持続力と決め手が問われるレースになり、6番手より前につけた馬が上位を独占。データ通り4年連続で重賞未勝利馬が制したた。ボッケリーニは直線でスペースがなく内を突いたが、最後は勝負根性と末脚の威力で捻じ伏せた。折り合いに不安がないレース巧者で追って味のあるタイプ。初の芝2000mでも問題なかった。宝塚記念と天皇賞(秋)を勝ったラブリーデイの全妹。池江厩舎の管理馬は一旦走らなくなるとそのまま終わる馬が多いため、上げ潮のときが買い。芝2000mで勝ったことでレース選択の幅が広がった。馬主の金子氏は自身が所有した種牡馬&繁殖馬で土日重賞を制覇。どちらもノーザンファーム生産馬。社台が個人馬主を勝たせるように舵を切り始めたか。次走は中山金杯あたりになりそうだ。

シゲルピンクダイヤは5番手から徐々に進出し、メンバー9位タイの34.0秒で伸びてクビ差の2着。昨年の秋華賞3着馬がその時以来となる芝2000mで9番人気で激走した。近走は詰めの甘いレースで5着前後に終わっていたが、元々決め手のある馬だけにスローペースで好位につけたことが良かったのだろう。最近は輸送してもイレ込まなくなっている。近親のムーンリットレイクは芝1800m巧者。シゲルピンクダイヤもマイルより中距離が合うのではないか。和田騎手は京都2歳Sをワンダフルタウンで1着、京阪杯をジョーアラビカで3着、チャンピオンズCをゴールドドリームで2着など最近重賞で乗れている。

ヴェロックスは6番手からメンバー5位タイの33.9秒で上がって0.2秒差の3着。長期休み明けで勝ち馬より2キロ重い57キロを背負っていたが、G1実績馬がハンデG3ということを考えると物足りない内容だった。これで芝2000mは[2−1−1−0]。詰めが甘いため、ベストの芝2000mではもう少し積極的に動いた方がいいのだろう。今年の重賞で川田騎手は1番人気では1〜8月[2−0−1−9]、9月以降[3−2−1−1]。裏で何があったのか知らないが急に堅実になった。

グロンディオーズは8番手からメンバー5位タイの33.9秒で上がって0.5秒差の5着。前走3勝クラスを勝って昇級戦で5着なら悪くないが、520キロを超える大型馬でエンジンの掛かりが遅い面がある。ムスカテールの半弟。現時点では芝2000mでは切れ負けするため、もっと長い距離が合っている。田村厩舎は16年のNHKマイルCをメジャーエンブレムで勝ってから芝重賞で3着以内がない。

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