阪神カップ
レース回顧

ダノンファンタジーは内ラチ沿いの好位からメンバー2位タイの34.1秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分19秒7。イベリスが逃げて前半3F34.0秒、5F56.7秒。高速馬場で流れは緩まなかったが、前に行った牝馬2頭で決着した。阪神カップで牝馬のワンツーは初めて。有馬記念も史上初の牝馬のワンツー決着。牝馬が強いのか、牡馬が弱いのか。牡馬と牝馬との能力差が縮まり、斤量差が有利に働いているのではないか。今後も牝馬の活躍が続くとアローワンスが見直される可能性がありそうだ。ダノンファンタジーは5、5、6着と詰めが甘く勝ち切れないレースが続いていたが、距離を短縮したことで切れ味が引き出され、重賞5勝目を挙げた。中内田厩舎は12月以降の重賞では[2−1−1−1]で急に近走不振が結果を出すようになった。新しい武器を手に入れたのか。ダノンファンタジーは馬体がマッチョ化してきている。今後はスプリント戦が視野に入る。

マルターズディオサは大外16番枠から3番手につけ、メンバー7位タイの34.5秒で上がって0.3秒差の2着。初めての芝1400mだったが、大外枠から先行して最後までしぶとく伸びて2着を確保。陣営はターコイズSを回避した芝1400mで牡馬相手の阪神カップを選択したが、その判断が間違いでないことを示した。これで芝1400〜1600mは[3−3−0−1]、良&稍重なら[3−3−0−0]で連対率100%。3歳牝馬はスマイルカナも牡馬を相手に重賞で結果を出している。陣営が言う通りスピードがあり、芝1400mでも全く問題なかった。スピードがあるため、芝1200mでも問題なさそうだ。

インディチャンプは中団の後ろからメンバー最速の34.0秒で伸びて0.4秒差の3着。昨年の安田記念とマイルCSを勝ち、今年の安田記念で3着、マイルCSで2着に入った馬が単勝1.5倍の断然人気に支持されたが牝馬2頭の前残りを許し3着に終わった。前に行くスピードがあるが、久々の芝1400mで福永騎手で今後に見据えて勝負を度外視し控えるレースをしたのだろうか。馬体がマッチョ化して心身ともに適性が短い方にシフトしてきている。春は高松宮記念を使うことになりそうだ。騎手たちは社台の指示通り動くため、断然人気でも勝ちにいかないことがある。今の競馬、特に重賞は社台の思惑を見抜かないと勝ちにくくなっている。

サウンドキアラは中団の外からメンバー5位の34.2秒で伸びて0.4秒差の4着。3着インディチャンプとはクビ差。スワンS10着、マイルCS10着と不甲斐ないレースが続いていたが、中団の外から伸びてようやく復調気配を示した。ただしパドックを見るとまだいい時の状態に戻り切っていないが、前走よりは少し良くなっていた。19年以降1〜4月は[4−3−1−0]で3着以内を確保。次走は稼働期に入るが、得意の京都コースが改修工事中なのが痛い。

フィアーノロマーノは中団からメンバー7位タイの34.5秒で伸びて0.8秒差の9着。前走京阪杯は7番手から33.7秒で差し切ったが、今回は直線で切れる脚を使えなかった。前走久々に重賞を勝ったことで陣営は少し楽をさせたのか、馬体が6キロ増えて少し腹目に余裕があった。それが影響したのではないか。団野騎手は昨年26勝(42位)、今年62勝(15位)と飛躍した。デビュー以来、3勝クラス&OP特別は[1−4−8−53]、重賞は[0−1−2−12]で計1勝のみ。馬券的にはこのあたりを考慮しておきたい。下手な騎乗と騎手を攻めるのはお門違い。データを分析していれば事前に分かる。

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