福島記念
レース回顧

パンサラッサは前半3F33.6秒、5F57.3秒のハイペースで大逃げし、メンバー13位の37.6秒で上がって4馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分59秒2。並の馬なら最後にバタバタになる流れで飛ばして重賞初制覇を飾った。京都芝2000mの未勝利戦を2番手から抜け出して2分8秒4(不良)で2着に2.5秒差をつけて大差勝ちした馬が、ハイペースで逃げて持久力勝負に持ち込み押し切った。ラスト3Fは37.6秒でラップは12.4−12.1−13.1秒。最速上がりで伸びて3着に入ったアラタの上がりは35.3秒でその差は2.3秒差。芝2000mはハイペースになることが少ないため、各騎手が控え過ぎたことも影響しているのだろう。パンサラッサは前走オクトーバーSを前半5F59.3秒で逃げ切ったが、2〜4着は差し追い込み馬だった。鍛え上げられている矢作厩舎の管理馬はタフなレースに強い。ブリーダーズC2勝はそれを如術に示している。ハイペースで飛ばす逃げ馬は貴重な存在。忘れた頃にまた一発がありそうだ。

ヒュミドールは6番手からメンバー3位の35.6秒で上がって0.6秒差の2着。これで福島&小倉の小回りコースでは[2−1−0−0]。福島芝2600mの信夫山特別を勝ち、稍重で持久力勝負になった小倉記念で2着に突っ込んだ馬。ハイペースで持久力勝負になって持ち味を生かせたのだろう。今年の重賞で吉田豊騎手は[0−0−0−16]で追い込むレースをして不振が続いていたが、今回は小倉記念と同様に流れに乗って2着に突っ込んだ。今年17勝で弟の吉田隼騎手は79勝。大きな差をつけられたが、久々にベテランが存在感を示した。

アラタは10番手からメンバー最速の35.3秒で伸びて2着に0.1秒差の3着。少し出遅れていつもより位置取りが後ろになったことが堪えた。それでも4連勝したのはダテではなく、最速上がりを繰り出して3着まで追い上げて地力を示した。来年は芝2000mのG3でチャンスがありそうだ。今年の芝重賞で社台F生産馬は[5−14−10−127]で2、3着が多い。ノーザンF生産馬は[51−45−53−377]。

ステイフーリッシュは4番手からメンバー12位の37.0秒で上がって2着に0.1秒差の4着。トップハンデ57.5キロを背負って先行したが、最後に一杯になって伸び切れなかった。55キロで2着のヒュミドールとは0.1秒差だったが、斤量2.5キロ差があった。次走は父ステイゴールドがラストランを飾った香港ヴァーズ(招待を受諾する方向)になりそうだ。矢作厩舎の管理馬。超絶の激走があるかもしれない。

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