高松宮記念
レース回顧

ナランフレグは1枠2番スタートから後方を進み、直線で内から馬群を捌いてメンバー2位の33.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分8秒3(重)。レシステンシアが逃げて前半3F33.4秒の速い流れ。上がりは34.9秒、ラップは11.0−11.5−12.4秒。ナランフレグは直線で前が詰まりながらかなり狭いところに突っ込んでクビ差で制した。レシステンシアが飛ばして差しが決まる展開、丸田騎手の一発狙いの考えられた騎乗、経験を積んで内から差せるようになったナランフレグの末脚の威力が上手く噛み合っての勝利。追い込みタイプで道悪はプラスではないが、内から捌いて33.9秒で上がったように馬場はある程度回復していたのだろう。これで中京芝1200mは[2−2−1−1]。19年の浜松Sでメンバー2位の32.6秒で大外一気を決めた走りはインパクトがあった。中京では勝負どころの行きっぷりが他の競馬場とは違うと丸田騎手が言っているように中京コースの適性が高いのだろう。丸田騎手、宗像調教師はG1初制覇。今後はひと息入れて中京のCBC賞、セントウルSあたりを使ってスプリンターズSを目指すことになりそうだ。

ロータスランドは中団の少し前から馬群を捌いてメンバー6位タイの34.3秒でしぶとく伸びてクビ差の2着。想定より位置取りが後ろになり直線で厳しくなったが、岩田望騎手が目一杯に追うと最後までしぶとく伸びてきた。初G1挑戦で芝1200mも中京コースも初めてだったが、スプリントG1で通用することを示した。相馬眼ニュースで取り上げた馬がようやくG1で連対した。やはり相馬眼的に評価できる馬は走る。芝1600mで4勝しているようにマイルも守備範囲。次走はヴィクトリアマイルでG1初制覇を目指すことになる。

キルロードは3番手からメンバー10位タイの34.7秒で直線で抜け出したが、最後に内と外から交わされてクビ+ハナ差の3着。単勝225倍の17番人気が大穴をあけた。速い流れで3番手から抜け出す正攻法のレースだけにフロックではなさそう。父ロードカナロア、母の父サクラバクシンオー。これで芝1200mの道悪で前に行ったときは[2−0−1−0]。昨年の福島テレビオープン(良)では前半3F32.8秒のハイペースで2番手から抜け出して勝っている。厳しい流れで前に行って粘る持ち味を菊沢騎手が上手く引き出した。

トゥラヴェスーラは12番手からメンバー5位の34.2秒で内から伸びて0.1秒差の4着。鮫島駿騎手は内が伸びるため外枠から内に入れ、直線で捌いて抜け出しかけたが、最後に競り負けた。昨年と同じ4着だが、勝ち馬と0.2秒差から0.1秒差に縮めている。近親に不良馬場のスプリンターズSを勝ったアストンマーチャン。次走は昨年2着の京王杯SCに向かうことになりそうだ。

メイケイエールは8枠17番スタートから中団の外につけ、メンバー8位の34.4秒で上がって0.1秒差の5着。内を通った馬が上位を独占する中、唯一外を通って伸びてきた。レースを使いながら着実に地力が強化されている。G1は4、18、4、5着に終わっているが、上手く噛み合えば激走があってもおかしくない。

レシステンシアはスタートを決めて前半3F33.4秒で飛ばし、直線で伸び切れず0.3秒差の6着。上がりはメンバー15位タイの35.2秒。直線であっさり使ったのは、道中ジャンダルムに絡まれて息が入らなかったせいか。結果的に香港遠征明けで馬体が18キロ増えて過去最高だったことも影響したのだろう。横山武騎手はG1に強いが、芝1200m重賞は[0−1−0−7]でまだ勝ったことがない。

グレナディガーズはスタートが遅く14番手を進み、メンバー6位タイの34.3秒で上がって0.5秒差の12着。内を通った馬が有利な馬場で外を回っては中団あたりにつけないと厳しかった。馬体の仕上がりは良かったが、スタート後に福永騎手は全く行く気なし。次の京王杯SCを狙っているような乗り方だった。中内田厩舎は2歳G1[3−1−1−4]で3勝しているが、3歳以上のG1は[0−5−3−32]で未勝利。早い時期に仕上げて賞金を稼ぐ厩舎の本質は変わっていなかった。

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