大阪杯
レース回顧
ポタジェは4枠8番スタートから内ラチ沿いの5番手につけ、4コーナーで外に持ち出すとメンバー4位タイの35.3秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分58秒4。ジャックドールが逃げて前半5F58.8秒の速い流れ。後半5F59.6秒でラップは12.1−11.7−11.5−11.8−12.5秒。ポタジェは今年は流れに乗れずAJCCは5着、金鯱賞は4着に終わったが、今回は吉田隼騎手が好位の内の絶好位につけた。追ってしぶとい脚を使うタイプだけに流れが速くなって上がりが掛かったことも良かったのだろう。重賞で善戦止まりが続いていた馬が8番人気でG1を制した。これで芝2000mは[5−4−1−2]で阪神では[3−1−0−0]。ルージュバックの半弟でセレクトセール2億円の金子馬。強い相手と戦ってきた良血馬の素質が開花した。G1昇格後の大阪杯で友道厩舎は[0−0−1−8]で9頭出走させていたが、今年はディープインパクト産駒3頭出しでようやく制した。次走は宝塚記念でG1連勝を狙うことになりそうだ。
レイパパレは3番手からメンバー10位の35.6秒で抜け出したが、最後にポタジェに交わされてクビ差の2着。7枠14番スタートから終始外を回ってジャックドールを交わしたが、ロスなく回ってきたポタジェに競り負けた。前に行った馬に厳しい流れで2着に粘ったようにやはり心肺機能が高いのだろう。昨年重馬場の大阪杯を4馬身差で圧勝した馬が、得意の芝2000mで久々にG1で連対した。これで国内の芝2000m以下では[6−2−0−0]。芝2200mは[0−0−1−2]だけに次走は宝塚記念ではなく、ヴィクトリアマイルを使うことになりそうだ。
アリーヴォは12番手から内めを通って徐々に進出し、メンバー最速タイの35.0秒で上がってクビ+ハナ差の3着。直線で外から鋭く伸びて勝ったかと思われたが、ゴール直前で脚色が一緒になった。それでもG1で57キロを背負って0.1秒差の3着に入ったことを評価したい。ここにきて急激に力をつけている。前走小倉大賞典のパドックで騎手が横山和騎手が騎乗するとかなり暴れた後に寝転がった馬。あれだけ暴れて大外16番枠から大外をブン回して勝ったのはやはりダテではなかった。ザッツザプレンティに似たようなタイプ。次走は宝塚記念でG1制覇を目指すことになりそうだ。
ヒシイグアスは7番手の外からメンバー4位タイの35.3秒で上がって0.3秒差の4着。パドックで想定より仕上がりが良く映ったが、厳しい流れで外を回ってしぶとく伸びてきた。クイーンエリザベス2世Cに外国馬が出走不可になり、急遽の参戦だったことを考えるとよく走っている。香港カップでラブズオンリーユーに頭差の2着に入ったのはダテではない。
ジャックドールは前半5F58.8秒の速い流れで逃げたが、直線であっさり捕まって0.5秒差の5着。スタート後に松岡騎手のウインマリリンにプレッシャーをかけられたことで2F目が10.3秒のこれまでに経験のない流れになった。その後はアフリカンゴールド(ゴドルフィン)に終始絡まれて流れが速くなったことが堪えている。騎手たちは社台には忖度するが、非社台の人気馬には忖度しない。レース後に右後肢の落鉄が判明。大一番で落鉄するあたりが厩舎の管理レベルか。ワンツーを決めた吉田隼騎手、川田騎手は藤岡佑騎手と同期。ゴールした後、吉田隼騎手、川田騎手は握手していた。次走は未定だが、前半競られると粘り切れないことがバレたため、今後もマークが厳しくなりそうだ。
エフフォーリアはスタートを決めた後に控えたが、外からドッと来られて道中は中団を進み、勝負どころで押しても上がって行けず、直線でも全く伸びずに0.7秒差の9着に終わった。前半控えたことで位置取りが悪くなり、その後外に出したことで外々を回るロスがあった。初の長距離輸送、初の阪神、初の速い流れが影響したにしても走らな過ぎ。レース後にゲートで暴れて顔面を強打したと発表された。数日しても腫れが残っている模様。枠の両サイドが牝馬だったことで鳴きながらゲートに入りして暴れたようだ。新馬戦で内隣に牝馬がいたことはあるが、その後は両サイドとも牡馬だった。エピファネイア産駒はデアリングタクト、アリストテレスなど古馬になると成績が落ちる傾向があるが、エフフォーリアはそれを払拭できるのかどうか。次走は宝塚記念に向かうことになりそうだ。昨年横山武騎手はG1を5勝したが、乗り慣れていないコースでは割り引きが必要になる。
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