オークス
レース回顧

サウンドビバーチェが放馬して競走除外になり、発走が15分遅れたことでスタンド前で待機していた馬たちのテンションが上がり、集中力を欠いて競馬にならなかった馬が多い。特にサークルオブライフはかなり発汗してイレ込んでいた。キャリアと精神力の強さが問われたレースになった。

スターズオンアースは大外枠から馬場のいい外を通って8番手につけ、メンバー最速の33.7秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分23秒9。ニシノラブウインクが逃げて前半5F60.6秒。中盤に流れが緩んで後半5F58.5秒、ラスト4Fは11.6−11.3−11.7−11.8秒。想定より馬場が回復し、緩い流れで上がり勝負になった。スターズオンアースは中団の外から最速上がりで差し切って快勝。桜花賞馬が3番人気の低評価を覆し2冠を達成した。ストライドが大きいため外を回ってノビノビ走れたこと、隊列が縦長になって外を回るロスが少なくなったことが良かったのだろう。

これで芝1800m以上は[2−1−0−0]で上がりは32.6秒、33.9秒、33.7秒で全て最速。赤松賞でナミュールに切れ負けしたが、キャリアを積んでパフォーマンスを引き上げて2戦連続でナミュールに先着した。同じように2歳時に切れ負けしていたタイトルホルダーは菊花賞、天皇賞(春)を制した。マイル前後で切れ負けする馬は長い距離で頭角を現すことがある。今後は休養して秋華賞で3冠を目指すことになりそうだ。スターズオンアースはドゥラメンテ産駒(父キングカメハメハ)、2着スタニングローズはキングカメハメハ産駒。今年のG1はキングカメハメハの血が入った馬の激走が続いている。ルメール騎手は今年JRA重賞初制覇。ゴールでガッツボーズをしたように相当たまっていたのだろう。

スタニングローズは1枠2番から内ラチ沿いの5番手につけ、勝負どころで外に出してメンバー5位の34.4秒で上がって0.2秒差の2着。フラワーCは1枠1番から内をロスなく回って逃げたニシノラブウインクを交わしただけのレースでレベルは高くなかったが、これまで7戦のうち6戦の上がりが1、2位だった。バラ一族で母系にシャーリーハイツ、ミルリーフ。潜在的なスタミナがあったのだろう。

新潟2歳S5着、サウジアラビアRC3着、デイリー杯2歳S5着と重賞を連戦し、クラシックを狙うようなローテーションではなかったが、今年は社台募集の高額馬が大不振のため、休養してこぶし賞を勝ったあたりで軌道修正したのだろう。こぶし賞は前半5F63.3秒のスローペースで折り合って最速の33.4秒で上がって勝ったことで陣営が距離適性に気付いたのではないか。母系にローズバド、ロゼカラーがあるバラ一族。使い込んでいるが、休養してどこまで成長してくるか。秋はローズSから秋華賞を目指すことになりそうだ。

ナミュールは9番手から内を突いてメンバー2位タイの34.0秒で上がって0.4秒差の3着。直線で外に出せればもう少し差は詰まったかもしれない。馬体は前走と同じ426キロでギリギリだったが、ソフト仕上げでデキ落ちはなかった。まだ馬体が成長途上だが、それでこれだけ走るのだから絶対能力が高い。ひと夏越して馬体が成長してパンとすれば一気にパフォーマンスを引き上げる可能性がある。マイルCSを狙う手もあるが、距離をこなしたため、まずは秋華賞が目標か。

ピンハイは10番手からメンバー2位の34.0秒で馬群を捌きながら伸びて0.5秒差の4着。重賞では3戦とも13番人気でチューリップ賞2着、桜花賞5着、オークス4着。一戦ごとに馬体が減って今回は402キロで細かったが、それでも踏ん張っている。地力あるヒシアトラスの一族。ミッキーアイル産駒で距離をこなす馬は珍しい。馬体は地味だが、重賞善戦がフロックでないことを示した。

プレサージュリフトは6番手からメンバー6位タイの34.5秒で上がって0.6秒差の5着。出遅れた後にカバーして好位につけたぶん直線で伸び切れなかった。馬体が8キロ増えて前走より馬体、気配が良くなっていた。キャリア1戦のクイーンCでスターズオンアースに勝ったのはダテではない。心肺機能が高い一族。この馬体の造りならこれから走ってくる。

ベルクレスタは11番手からメンバー8位タイの34.8秒で上がって1.3秒差の10着。スターズオンアースの後ろにいたが、直線でフットワークがバラバラになり伸び切れなかった。馬場が乾き過ぎたり、放馬で待たされたことなどが影響したのではないか。左回りのマイルでは[1−2−1−0]で上がりは1、1、1、2位。半姉アドマイヤリードは稍重のヴィクトリアマイルを制している。

サークルオブライフは出遅れた後に内と外から寄られて最後方を進み、直線で大外に出したが、それほど伸びず12着。放馬で待たされてかなり発汗してイレ込んでいた。国枝調教師は「待たされて気持ちが高ぶって終わってしまった感じ」とコメント。ここにきて馬体が少しマッチョ化してきている。体型的に距離はマイル前後がベストか。

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