日本ダービー
レース回顧

ドウデュースは道中14番手を進み、直線で外からメンバー2位の33.7秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム2分21秒9はダービーレコード。デシエルトが逃げて前半5F58.9秒のハイペース。後半5F59.0秒、上がりは35.2秒、ラップは11.5−11.7−12.0秒。速い流れでかつ緩急があり前に行った馬には厳しい展開になり、10番手以下から追い込んだ馬が1、2、4、6、7、8着に入った。ドウデュースは後方で脚をタメ、武豊騎手が直線で追い出すと弾けるように伸び、最後は外から来たイクイノックスをクビ差完封した。直線での弾け方はインパクトがあった。社台は皐月賞と同様にジオグリフ(福永騎手)がダノンベルーガ(川田騎手)を徹底的にマークして外に出させないようにしていた。社台もルメール騎手もドウデュースがあんなに凄い脚を使うとは思ってなかったのだろう。

武豊騎手は直線で最初は右鞭、内に寄れると左鞭、外からイクイノックスが来ると右鞭に替えていた。直線で追い出したときに反応が良過ぎたため、最後まで持たせるのが大変だったが、武豊騎手の騎乗技術と馬の心肺機能の高さで凌ぎ切った。昨年はシャフリヤールが2分22秒5で勝ったが、今年は昨年より時計、上がりが掛かる馬場だった。道中のラップを見てもレベルが高い。皐月賞で追い込んで3着に負けたことを批判され、今回は中団あたりにつけるかと思われたが、武豊騎手がドウデュースの末脚を信じで後方でタメて末脚の爆発力を引き出したことが勝利に繋がった。武豊騎手は6度目のダービー制覇。最近の重賞では出遅れたり、道中掛かったり、まともにレースができないことが多かったが、大一番で渾身の騎乗でドウデュースを勝利に導いた。今後は無事なら凱旋門賞に向かう予定。武豊騎手渾身の騎乗で日本馬初の凱旋門賞制覇を期待したい。

イクイノックスは16番手から後方3番手を進み、メンバー最速の33.6秒で追い込んでクビ差の2着。大外18番枠からスタートがひと息で後方3番手になり、直線で内から外に持ち出す出すロスがあった。勝負どころでドウデュースとは3馬身程度の差があり、そこで脚を使ったぶん伸び切れなかった感もある。それでも最速上がりを繰り出して能力を示した。ルメール騎手はドウデュースがあそこまで切れる脚を使うとは思っていなかったのではないか。前走長期休み明けで10キロ増えた馬体が8キロ絞れて腹目がスッキリしていた。ドウデュースは6戦目、イクイノックスは4戦目。負けたのはキャリア、経験、現時点の完成度の差もある。新馬戦を勝ったときから相馬眼的に評価してきた馬。速過ぎるタイムで走ったのは気になるが、無事なら秋はどこかでG1を勝てそうだ。

アスクビクターモアは2番手から直線で早めに先頭に立ち、メンバー8位の35.3秒で上がって0.3秒差の3着。直線で外から2頭に交わされたが、内から迫ったダノンベルーガを完封して3着を確保。2分22秒2で走っており、例年なら勝っていた。ハイペースで前に行った馬に厳しい展開で2番手から3着に粘ったことを評価したい。ディープインパクト産駒で母の父レインボークエスト。距離が延びる菊花賞でもやれそうだ。21年6月以降の東京芝2400mで田辺騎手は[2−6−1−3]で乗れている。昨年以降の芝重賞で田辺騎手は[6−5−2−54]、1〜3番人気では[1−0−0−10]で勝ったのは弥生賞のアスクビクターモア(3人気)。4〜7番人気は[4−3−1−10]で複勝率44%。人気がない方が成績がいい点に注意。

ダノンベルーガは10番手からメンバー3位の34.3秒で上がって0.4秒差の4着。皐月賞と同様に道中ずっと外から福永騎手のジオグリフにマークされ、直線で狭いところを割ったが、前にいたアスクビクターモアが外に寄れたことで仕方なく荒れた内を突いて伸び切れなかった。やはり社台>ダノンなのだろう。攻めを強化して馬体が10キロ絞れ、本番の仕上げを施していた。最速上がりを繰り出した新馬戦、共同通信杯は外からスムーズなレースをしたもの。皐月賞、ダービーは執拗なマークでまともに走っていない。相馬眼的に評価できる馬で成長力あるハーツクライ産駒。これから本格化すると一気にパフォーマンスを引き上げそうだ。

プラダリアは5番手からメンバー7位の35.2秒で上がって0.9秒の5着。青葉賞を2分24秒2で勝った馬が2分22秒8で走り、皐月賞組以外では最先着を果たした。やはりトライアル組は皐月賞組よりもレベルが低かったのだろう。流れが速くなってレベルが高くなり過ぎた。

キラーアビリティは15番手からメンバー4位の34.5秒で上がって1.0秒差の6着。ホープフルSで激走した反動があったのか、皐月賞では馬体、気配が地味に映ったが、今回は馬体の張りが良くなり、踏み込みに勢いが戻っていた。小倉芝2000mなら確実だが、菊花賞でアスクビクターモアに対抗できる可能性がある。

ジオグリフはダノンベルーガをマークして10番手を進み、メンバー5位の34.9秒で上がって1.0秒差の7着。晴れて気温上昇、湿度低下、レコード決着でノドの影響が出たか。福永騎手が外を回って執拗にダノンベルーガをマークして自滅した感もある。札幌記念、毎日王冠、来年の中山記念、大阪杯に出走したら要注意。

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