函館スプリントS
レース回顧

ナムラクレアはスタートを決めて3番手につけ、メンバー6位タイの34.1秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分7秒2。ビアンフェが逃げて前半3F32.8秒のハイペースになったが、上がりが速く3番手と6番手につけた馬で決着。エアレーションをしたソフトな馬場でも高速決着になった。ナムラクレアは先行して抜け出す正攻法のレースで圧勝。これで芝1200mは3戦3勝。50キロの軽量は有利だったが、全く隙のないレースぶりであらためてスプリント適性の高さを示した。ハイペースについて行くスピードがあり、追うと即座に反応できる。ミッキーアイル産駒で運動神経がいいのだろう。今後はサマースプリントシリーズの優勝とスプリンターズSを視野に入れながらセントウルSあたりを使うことになりそうだ。浜中騎手は08年マーメイドS以来14年ぶりに50キロで騎乗した。中間は減量に苦しんでいたが、見事な騎乗だった。今年の重賞では[4−2−2−8]で複勝率50%。1、2番人気では[3−1−0−0]で結果を出している。

ジュビリーヘッドは6番手からメンバー8位の34.3秒で上がって0.4秒差の2着。前走3勝Cの船橋Sを勝った馬が7番人気で激走した。6枠11番スタートから好位につけてスムーズなレースができたことが良かったのだろう。横山和騎手が上手く乗っている。これで芝1200mは[4−4−1−1]、良馬場では[4−4−1−0]で複勝率100%。安田隆厩舎のロードカナロア産駒。12年以降の函館スプリントSで安田隆厩舎は[2−3−0−2]。馬主はキャロットF(社台)。エアレーションをした馬場で6枠11番は好枠だった。昨年札幌スポニチ賞(2勝C)を勝っている。次走はキーンランドCに使ってきそうだ。

タイセイアベニールは後方3番手を進み、メンバー2位の33.5秒で直線で内から捌いて0.5秒差の3着。3〜7着の5頭が同タイムだったが、鮫島駿騎手が上手く捌いて最後にひと伸びして3着を確保した。1分7秒台の決着に強いタイプ。外を回さずに内に突っ込んで捌いてきたことが功を奏した。鮫島駿騎手は昨年6〜8月のスプリント重賞で[1−4−0−0]で5戦連続連対した。今年も夏のスプリント重賞で注意したい。

レイハリアは大外16番枠から2番手につけ、4コーナーで先頭に立つとメンバー13位の34.8秒で上がって0.5秒差の4着。逃げたビアンフェは直線で失速して最下位の16着に惨敗したことを考えるレイハリアは強いレースをしている。昨年葵S、キーンランドCを連勝したのはダテではない。馬体が8キロ増えて過去最高の460キロになり、スプリンターらしい馬体になってきた。夏場に走るタイプ。次走は馬券に絡めたい。

ヴェントヴォーチェは出遅れた後に強引に押して10番手を進み、メンバー6位タイの34.1秒で上がって0.5秒差の7着。高速馬場で出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。西村騎手はいつも通りゲートを出たとコメントしたところに違和感がある。前走春雷Sと馬体重は一緒だったが、パドックでは馬体が少し緩く映った。前走春雷Sの走りからすぐに重賞を勝てそうな馬。西村騎手は芝重賞で[1−1−1−42]、芝1600m以下の重賞では[0−0−0−16]。乗り替わりが条件になる。

シゲルピンクルビーは3番手につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の10着。上がりはメンバー10位の34.6秒。前走鞍馬Sを1分7秒1で勝ったが、前半3Fは33.6秒だった。今回はビアンフェが飛ばして前半3F32.8秒。4コーナーで勝ったナムラクレアは馬なりだったが、シゲルピンクルビーは和田騎手の手が動いていた。流れが早過ぎて脚をタメられなかったのだろう。大外枠から先行したレイハリアが4着に粘ったことを考えると物足りなさが残る。

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