ユニコーンS
レース回顧

ペイシャエスはスタートを決めて5番手につけ、メンバー6位タイの36.4秒で馬群を割って抜け出しレースを制した。勝ちタイムは1分35秒2。ロードジャスティスが逃げて前半5F58.3秒の速い流れ。今開催の東京ダートは時計が出やすい馬場で数字よりも流れは速くない。ペイシャエスは前走青竜Sを2番手から伸び切れず0.4秒差の5着に終わったが、今回は好位の馬込みでタメて直線で抜け出した。最終レースで内を通ったコングールテソーロが圧勝したようにこの日の東京は内を通った馬が有利な馬場だった。内めをロスなく回って流れに乗り、直線で自分のスペースを確保したことが大きかった。4走前の伏竜Sで単勝242倍の最低人気だった馬が7番人気で重賞初制覇を飾った。中山ダ1800mの1勝クラスを2番手から最速上がりで抜け出して5馬身差で圧勝したように持久力がある。エスポワールシチー産駒はJRA重賞初制覇となった。かなり使い込んでいるが、次走は7月13日のジャパンダートダービーに向かう予定。

セキフウは出遅れて後方を進み、直線で内を突いてメンバー2位タイの35.5秒で追い込んでクビ差の2着。直線で前に馬がいてスペースがなかったが、Mデムーロ騎手が最内に突っ込んで目一杯に追って持ってきた。サウジダービー(ダ1600m)で大外から強烈な末脚で0.1秒差の2着に入ったことがダテではないことを示した。ただしこの日の東京は内を通った馬が有利な馬場だったことを付け加えておく。東京ダート走るヘニーヒューズ産駒で高松宮記念を制したビッグアーサーの半弟。ダ1400mは3戦3勝で兵庫ジュニアGPを勝っている。距離は1600mまではこなせるが、今後は短距離戦も視野に入ってきそうだ。

バトルクライは中団の後ろを進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー4位タイの35.8秒で上がってクビ+クビ差の3着。直線で前が壁になり、最後まで鞭を入れられず、完全に脚を余した。勝ったペイシャエスは鞭8発、2着セキフウは鞭24発入れている。もう少しスムーズなら勝っていたのではないか。前走青竜Sで2着ホウオウルーレットの上がりを0.1秒上回って3着に入ったことはやはりダテではない。17年以降のダート重賞で高木厩舎は1〜4番人気[0−0−0−6]、5〜9番人気[1−5−2−5]、10番人気以下[0−0−2−11]。バトルクライは9番人気で3着、ヴァルツァーシャルは4番人気で4着だった。高木厩舎で鍛えられ末脚の威力と体力を兼ね備えた馬。相馬眼的にこれからダート重賞で活躍できそうだ。

ヴァルツァーシャルは出遅れて後方2番手を進み、メンバー最速のの35.4秒で大外から追い込んで0.1秒差の4着。出遅れた後に内に入れて道中ロスなく進み、4コーナーから直線で外に出して追ったが、位置取りが後ろ過ぎて届かなかった。内を通った馬が有利な馬場だったこともマイナスに働いている。スタートを決めてもう少し前で進めていれば馬券圏内があったかもしれない。三浦騎手は出遅れたり、スムーズさを欠いたり、何か少し足りずに3〜5着に負けることが多い。前走青竜Sと同様に最後に脚色が鈍ったのは距離か。高木厩舎のマクフィ産駒。次走はダ1400mを使ってきそうだ。

タイセイディバインは大外15番枠から3番手につけ、直線で馬なりのまま先頭に立ったが、ラスト1Fから伸び切れず0.2秒差の5着。上がりはメンバー9位の36.8秒。大外から速い流れで先行して伸び切れなかったが、初ダートで適性を示した。これからダートを使ってきそうだ。ただし今回が11戦目でかなり使い込んでいる。タフな馬だが、今後はそのあたりがどう出るか。

リメイクは道中8番手を進み、直線で外からメンバー6位タイの36.4秒で上がって0.2秒差の6着。ラスト1Fでは差し切りそうだったが、そこから脚が鈍った。内を回ったペイシャエスと同じ上がりを繰り出したが、最後の止まり方を見るとやはり距離なのだろう。それでも今後の成長、脚抜きのいい馬場、流れ次第でこなしてもおかしくない。レースセンスが良く、堅実に走るタイプ。ラニ産駒がどんな成長を見せるのか楽しみだ。

ハセドンは出遅れて最後方を進み、メンバー2位の35.5秒で追い込んで0.4秒差の8着。前走青竜Sではメンバー最速の34.3秒で大外一気を決めたが、良馬場で前走ほど切れる脚は使えなかった。パドックでは前走より少し腹目が巻き上がり、脚捌きが硬くなっていた。前走青竜Sで走り過ぎた影響があったのではないか。ダ1800mを捲って勝ったように単なる直線一気タイプでない。レース慣れすれば走ってくる。

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