マーメイドS
レース回顧
ウインマイティーはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手を進み、メンバー3位の34.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分58秒3。ハギノリュクスが逃げて前半5F59.4秒、後半5F58.9秒、上がりは35.1秒、ラップは11.6−11.7−11.8秒。開幕週で内を通って前に行った馬に有利な馬場。外を回って差した馬は7着ルビーカサブランカが最先着。ウインマイティーは内の絶好位を手応え良く進み、直線で外に持ち出すと一気に抜け出して後続を完封した。20年の忘れな草賞勝ち馬が同じ阪神芝2000mで重賞初制覇を飾った。
オークスでデアリングタクトの3着に入った馬。出走馬にG1連対馬はおらず、G1で3着がある馬はウインマイティー(54キロ)、ソフトフルート(54キロ)、クラヴェル(55キロ)。54キロの2頭が1、3着に入った。近年は格上挑戦の軽量馬の激走が続いていたが、今年は珍しく重賞実績馬で決着した。格上挑戦で来た馬のレベルが低かったのではないか。ウインマイティーはパドックで馬体の張り、気合乗りが良くなり、前走と気配が一変していた。速い持ちタイムがない馬が1分58秒3で走ってパフォーマンスを引き上げた。秋はエリザベス女王杯を狙うことになりそうだ。
マリアエレーナは12番枠スタートから5番手につけ、直線で外からメンバー4位の35.0秒で上がって0.3秒差の2着。内から伸びてきたソフトフルートとの叩き合いをクビ差で制した。これで芝2000mは[2−2−1−0]、良馬場では[2−2−0−0]で連対を確保。愛知杯2着は53キロだったが、今回は2キロ増の55キロを背負って外を回って連対したように地力が強化されている。重賞未勝利馬が55キロというのは1キロ見込まれたのではないか。小柄な牝馬でも相手なりに堅実に走るタイプ。展開、位置取り、コース取りが噛み合えば、どこかで重賞制覇がありそうだ。
ソフトフルートは後方3番手を進み、勝負どころで内から上がって直線で外に持ち出すとメンバー2位の34.7秒で上がって0.3秒差の3着。川田騎手が内をロスなく回り、4コーナーでショートカット気味に上がって上手く乗ったが、それでもウインマイティーには0.3秒差をつけられた。いつものように外を回していたら掲示板もなかったのではないか。これで川田騎手では[2−0−1−0]で3着以内を確保。前に行くと詰めが甘くなるため、現状はこういうレースが合っている。
ステイブルアスクは後方2番手からメンバー最速の34.6秒で追い込んで0.4秒差の5着。前走3勝クラスで5着に負け、格上挑戦できた馬が51キロの軽量を味方に突っ込んできたが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。例年は人気薄軽量馬が激走するが、今年は51キロの3頭が直前まで3、4、5番人気になっていた。人気がなければ騎手は気楽に乗れ、他馬にもマークされない。ただし今年は軽量馬のレベル、騎乗した騎手のレベルもあるのだろう。
ルビーカサブランカは11番手からメンバー6位タイの35.4秒で上がって1.1秒差の7着。内を通った馬が有利な馬場で外を回って差すレースでは厳しかった。20年12月から13戦連続で上がりは3位以内だったが、今回は速い上がりを繰り出せなかった。得意の芝2000m、阪神でこの上がりというのは、見た目以上に内が有利なことを示しているのではないか。
スルーセブンシーズは後方から大外をブン回してメンバー5位の35.3秒で上がって1、3秒差の10着。紫苑Sで1枠1番から内を回って内から捌いてきたように飛びが大きくても内を突けるタイプ。1枠1番だったが、内を通った馬が有利な馬場で大外をブン回していた。秋山騎手はアクションが大きいため、外を選択したようだ。[2−1−2−0]の中山で見直したい。
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