七夕賞
レース回顧
エヒトは大外枠からスタートを決めて6番手につけ、勝負どころで3番手に押し上げるとメンバー2位の34.4秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイム1分57秒8はレースレコード。ロザムールが前半5F58.5秒で飛ばし、後半5Fは59.3秒、ラップは12.1−11.9−11.9−11.6−11.8秒。速い流れでラスト4Fを全て11秒台でまとめており、ローカルのG3でもレベルが高い。エヒトは勝負どころで抜群の手応えで上がって行き、直線で楽々と抜け出して快勝。4コーナー、直線で田中勝騎手は後ろを振り返る余裕があった。前走京都記念で0.4秒差の7着に入った馬が54キロの軽ハンデを味方に一気にパフォーマンスを引き上げて重賞初制覇。本格化を思わせるレースぶりだった。1着エヒト(父ルーラーシップ)、2着ヒートオンビート(父キングカメハメハ)、3着アンティシペイト(父ルーラーシップ)。福島の重賞はキングカメハメハが入った馬が激走する傾向が続いている。田中勝騎手は19年函館記念のマイスタイル以来2年ぶりの重賞制覇。通算51勝目。久々にカッチースマイルを見ることができた。使い込む森厩舎が休み明けで勝ったため、今後はサマー2000シリーズの優勝を目指して使い込みそうだ。
ヒートオンビートは10番手からメンバー最速の34.3秒で上がって0.4秒差の2着。日経賞、天皇賞(春)と長い距離を使ったため、流れに乗れず位置取りが後ろになったが、最後は外から地力で伸びて2着を確保。前3走は3、3、4着に終わったが、ようやく2着に入り賞金を加算することができた。秋に向けて賞金を加算できたことは大きい。地力が強化され、どんなレースになっても崩れなくなってきている。今後は休養して秋は京都大賞典あたりで復帰することになりそうだ。
アンティシペイトは後方から徐々に進出し、メンバー3位の34.5秒で上がって0.5秒差の3着。いい脚を長く使ったが、勝ったエヒトが強過ぎた。前走福島民報杯を1分59秒9で5馬身差で圧勝したが、今回は1.5キロ重い56.5キロを背負い、1分58秒3で走って力は出している。これで芝2000mは[2−1−1−1]。これまで長い距離を使われてきたが、芝2000mが合っているのだろう。7〜9月は[2−2−1−0]。夏場は安定して走っている。
エヴァーガーデンは4番手からメンバー8位タイの35.4秒で上がって0.8秒差の4着。逃げ先行馬が直線で失速する中、最後までしぶとく伸びて前に行った馬の中では最先着。これで中山&福島の芝2000mでは[3−1−0−2]で堅実に走っている。母は紫苑S勝ち馬モエレカトリーナ。パドックで馬体、気配が良かったように夏場も合っているのだろう。
ヒュミドールは6番手の内からメンバー7位の35.2秒で上がって1.0秒差の5着。4コーナーでヤマニンデンファレに前に入られて減速し、踏み遅れるロスがあった。そこがスムーズならラストの伸びは違ったのではないか。昨年2着に入った小倉記念は1分59秒8(稍重)、福島記念は1分59秒8。もっと時計、上がりが掛かった方が持久力を生かせる。
モズナガレボシは後方2番手からメンバー4位の34.6秒で上がって1、1秒差の7着。前4走は3、4、2、6番手につけていたが、スタートしてから流れに乗れず、位置取りが悪くなったことが堪えた。戸崎騎手はこの日8、9Rの芝戦を4、2番人気で連勝したが、肝心なところで流れに乗れなかった。今年の重賞では[1−1−3−28]で連対率6.1%。
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