プロキオンS
レース回顧

ゲンパチルシファーは7番手から徐々に進出し、メンバー3位タイの37.6秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分43秒7。エアアルマス、メイショウウズマサ、トップウイナーが競り合って前半5F59.5秒の速い流れになり、差し追い込み馬が上位を独占した。ゲンパチルシファーは6枠12番スタートから川田騎手が内に入れて脚をタメ、向こう正面で外に出して自分のスペースを確保し、直線で抜け出して後続を完封した。これで小倉ダ1700mは[2−1−2−0]。馬が小倉巧者ということもあるが、川田騎手が抜群の立ち回りだった。OP入りして2、7、7、4、3着に終わった馬が得意の小倉で重賞初制覇を飾った。

2019年以降、川田騎手、佐々木晶厩舎のコンビは[14−7−4−8]で勝率42.4%、連対率63.6%、複勝率75.8%。33頭のうち32頭が4番人気以内に支持されている。これまでは条件戦のみだったが、今回初めて重賞に出走し結果を出した。佐々木晶調教師が川田騎手を乗せてきたときは注意したい。今回の勝利で佐々木晶厩舎はJRA重賞通算50勝のメモリアルとなった。新潟で勝つと全十場重賞制覇となる。ヴェローナシチーが来年の新潟大賞典、新潟記念あたりでチャンスがありそうだ。

ヒストリーメイカーは10番手から外を回って進出し、メンバー2位の37.5秒で上がって0.1秒差の2着。外を回って早めに仕掛けたが、いい脚を長く使っている。川田騎手が上手く立ち回ったゲンパチルシファーより、厳しいレースをしていることを考慮しておきたい。みやこS、マーチS、アンタレスSで2着がある実力馬。前走平安S15着惨敗、8歳馬、2年目の小沢騎手で14番人気だったが、まだ大きな衰えがないことを示した。小沢騎手は重賞[0−1−0−5]で初めて連対。昨年31勝で38位、今年は16勝で42位。

サクラアリュールは14番手から徐々に押し上げ、メンバー3位タイの37.6秒で上がって0.2秒差の3着。道中馬込みでロスなく進み、外に出さずに馬込みを捌きながら上がってきた。前走スレイプニルSでメンバー最速の36.0秒で上がって2着に入り、ハナ差の3着がゲンパチルシファーだった。今回はゲンパチルシファーに川田騎手が騎乗して上手く立ち回れて先着を許したが、得意とはいえないダ1700mでいい脚を長く使って12番人気で激走した。速い流れで前崩れになったこと、ブリンカーの効果もあるのだろう。

ロードレガリスは中団の内をロスなく進み、直線で外に出してメンバー最速の37.4秒で上がって0.2秒差の4着。1年1ヶ月ぶりの出走、富田騎手で13番人気だったが、最速上がりを繰り出して能力を示した。地方2連勝、中央4連勝でアルデバランSを勝った馬。前5走は57〜58キロを背負っていた馬が56キロで出走できたことも良かったのだろう。ダ1800〜1900mは[6−0−0−2]。次走適距離で鞍上を強化してきたら要注意。

サンライズウルスは出遅れて離れた最後方を進み、メンバー5位の37.7秒で上がって1.7秒差の11着。4コーナーで届かないとみた横山典騎手は諦めて軽く仕掛けただけで追わなかった。前2走は横山和騎手が騎乗し好位につけて競馬を教えたが、今回は横山典騎手がお得意の後方ポツンだった。21年以降、小倉で横山典騎手は[0−2−1−13]、2番人気以下では[0−0−1−13]。横山典騎手は「走る方へ気が向かないタイプ」とコメント。これは馬ではなく、自分のことか。OPでやれる馬。

ラーゴムは6番手の外から伸び切れず2.0秒差の12着。上がりはメンバー12位の39.4秒。向こう正面でゲンパチルシファーが外に出した時にあっさり道を譲り、大外をブン回したことが堪えた。川田騎手の技術か、それとも圧か。1番人気に支持されたが、タフなレースの経験が少なかったこともあるか。今年の平地重賞で1番人気は[11−15−9−35]で勝率15.7%。川田騎手は[1−0−1−5]、ルメール騎手は[0−3−0−4]、福永騎手は[0−1−0−3]。これを見ても1番人気がいかに不振かが分かる。

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