中京記念
レース回顧

ベレヌスは外枠スタートからハナを切って前半3F36.1秒、5F59.9秒のスローペースで進み、メンバー7位タイの34.6秒で後続を完封してレースを制した。勝ちタイムは1分45秒9。後半5Fは57.8秒、ラップは11.8−11.4−11.3−11.4−11.9秒で全て11秒台。1枠1番から押してハナを切ろうとしたベステンダンク(和田騎手)が外からベレヌスが来るとあっさりと引き下がったことで流れが緩み、スローペースでしか連対したことがないベレヌスに有利な展開になった。1着ベレヌスはキャロットF、2着カテドラルもキャロットF、3着ファルコニアは社台RHで社台の馬が上位を独占した。

ベレヌスは内を通った馬が有利な馬場で内ラチ沿いをマイペースで逃げ切って重賞初制覇。流れが緩んだこと、内を通って先行した馬が弱過ぎたこと、差し馬がみな外を回ったことが有利に働いている。これで7〜9月は[4−0−3−1]。小倉大賞典と小倉記念を制したトリオンフと同じタートルボウル産駒。これで小倉では[2−0−2−0]となった。今後は関屋記念、または京成杯AHでサマーマイルシリーズの優勝を目指すことになりそうだ。

カテドラルは後方2番手から外を回って徐々に進出し、メンバー3位の34.0秒で大外から追い込んで半馬身差の2着。昨年の中京記念で大外から突っ込んで6番人気で2着に激走した馬が、今年は10番人気で穴をあけた。水曜に急遽騎乗が決まったテン乗りの団野騎手が上手く乗っている。スローペースで展開は向かなかったが、後半5F57.8秒で早めに動いた馬が止まったことで突っ込めた。これで7〜9月は[4−2−0−1]で夏場は安定して走っている。右回り、芝1600〜1800m、G3は[1−4−0−2]で7〜9月は[1−2−0−0]。成績にムラはあるが、この条件は走るので注意したい。

ファルコニアは8枠15番スタートから8番手につけ、勝負どころで外から早めに押し上げ、メンバー5位タイの34.3秒で上がって0.1秒差の3着。2着カテドラルとはハナ差。川田騎手が早めに動いて勝ちに行ったが、逃げて内をロスなく回ったベレヌスを捕まえられず、最後はカテドラルに交わされた。平地重賞で1番人気は11連敗となった。今年の重賞で川田騎手は[6−5−8−17]、1番人気では[1−0−2−5]。ちなみにルメール騎手は1番人気では[0−3−0−4]。今春の平地G1は1番人気が全敗。ファルコニアは重賞[0−0−4−3]で4度目の3着。少し足りないレースが続いている。

ミスニューヨークは1枠2番から中団の内をロスなく進み、勝負どころで外に出してメンバー5位タイの34.3秒で上がって0.3秒差の4着。ゴール前で前が詰まって追えない不利があり、少し脚を余している。昨年の中京記念は52キロで0.3秒差の4着、今年は54キロで0.3秒差の4着。斤量が増えたぶん地力強化されているのだろう。21年以降、稍重以上では[2−0−0−0]、良馬場では[0−1−2−6]。馬場が渋ったときは特に注意したい。

ヴァリアメンテは少し出遅れて後方3番手からメンバー最速タイの33.9秒で追い込んで0.3秒差の5着。3、4コーナーで馬群が横に広がって上がって行けず、4コーナーで後方2番手からでは厳しかった。中団あたりからいい脚を長く使えるタイプだが、スローペースで出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。それでも重賞初挑戦で最速上がりを繰り出して0.3秒差の5着ならメドは立った。昨年5着のロータスランドは次走関屋記念を制している。アンドラステ(中京記念)、ヴィスパメンテ(未勝利)など小倉芝1800m走る一族。来年の小倉大賞典で注意したい。その前に小倉日経オープンに使ってくるか。

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