朝日杯FS
レース回顧

ドルチェモアは1枠2番スタートから内ラチ沿いの3番手につけ、直線で外に持ち出すとメンバー6位タイの35.8秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分33秒9。オールパルフェが逃げて前半3F34.1秒、5F57.8秒。上がりは36.1秒、ラップは11.7−12.0−12.4秒。速い流れで上がりの掛かる消耗戦になった。内枠から内をロスなく回った馬が1着、4着(キョウエイブリッサ・16人気)、5着(バグラダス・8人気)に入ったように道中内を通った馬が有利な馬場だった。ドルチェモアは3番手から抜け出す正攻法のレースで優勝。桜花賞馬アユサンの息子が3戦3勝で制した。

土曜は雨で稍重だったが、日曜は良に回復して内が有利になったこと、1枠2番からロスなく回ってきたこと、直線で外に出してスペースを確保できたこと、速い流れで地力勝負になったことがプラスに働いている。2着ダノンタッチダウン(12番枠)、3着レイベリング(14番枠)とは0.1秒差。内が有利な馬場でなければ際どいレースになっていた。パドックでは少しテンションが高いときがあったが、馬体の張りが良くなり、須貝厩舎が本番の仕上げを施していた。レースセンスがいいため前に行くレースをしているが、差すレースもできそうなタイプ。来年は距離を延ばして適性を見極めることになりそうだ。

ダノンタッチダウンは内ラチ沿いの中団の後ろを進み、直線で外に出すとメンバー最速の35.2秒で上がってクビ差の2着。直線で外に出しながら馬群を捌いて川田騎手が持ってきた。前走デイリー杯2歳Sは前半3F35.3秒で後方から追い込むレースになったが、今回は前半3F34.1秒の速い流れでも10番手につけることができた。阪神は道中内ラチ沿いをロスなく回った馬が最後に伸びており、内を通ったことがプラスに働いている。馬体は2キロしか絞れていなかったが、腹目が少し引き締まっていた。重賞で2戦連続2着で賞金を加算できた。今後は距離を見極めるため、3月に芝2000mのレースを使ってきそうだ。

レイベリングは7枠14番スタートから5番手につけ、メンバー6位タイの35.8秒で上がって0.1秒差の3着。2着とはクビ差。勝ったドルチェモアは内ラチ沿いをロスなく回ってきたが、レイベリングは外枠スタートから外々を回っていた。前半5F61.4秒のスローペースになった新馬戦を大外からメンバー最速の33.1秒で差し切った馬。新馬戦とは全く違う前半5F57.8秒の速い流れで5番手につけて外を回ったことを考えると強いレースをしている。前脚の伸びがいいのに掻き込みが強いというエフフォーリアを進化させたような走法。相馬眼的に来年はNHKマイルCを勝つのではないか。

オールパルフェはハナを切って前半3F34.1秒、5F57.8秒で飛ばし、メンバー13位タイの36.6秒で上がって0.6秒差の6着。内ラチ沿いをロスなく回ってしぶとく伸びたが、ラスト1Fで一杯になった。前走デイリー杯2歳Sは前半3F35.3秒、5F59.0秒で逃げて1分33秒2で勝ったが、今回はサウジアラビアRCで大逃げしたグラニットにマークされて流れが速くなったことが堪えた。この日は強風が吹いており、最後の直線が向かい風。直線でずっと向かい風を受けながら走ったことも影響している。勝ったドルチェモアは直線で抜け出すまで馬の後ろにつけていた。今後は放牧に出される予定。

コーパスクリスティは後方から馬群に突っ込んでメンバー9位の36.1秒で上がって0.8秒差の9着。前に行くと思われた内隣りのフロムダスクが出遅れたこともあるのか、前半からイーガン騎手は行く気がなく、位置取りが悪くなったことが堪えた。前走秋明菊賞は馬体が14キロ増えてパドックでは新馬戦の馬体とは一変していた。昨年の朝日杯FSを勝ったドウデュースも新馬戦を勝った後のアイビーSで馬体が一変していた。こういう変化を見せた馬は2歳G1で激走することが多いが、コーパスクリスティは位置取りが悪くなったにしても速い上がりを繰り出せなかった。来年は芝1400mのファルコンS、橘Sで注意したい。

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