ホープフルS
レース回顧
ドゥラエレーデはスタートを決めて2番手につけ、メンバー9位タイの35.0秒で上がって逃げたトップナイフとの叩き合いをハナ差で制した。勝ちタイムは2分1秒5。トップナイフが逃げて前半5F61.5秒、後半5Fは60.0秒、上がりは35.0秒、ラップは11.9−11.2−11.9秒。スローの上がり勝負になり、前に行った2頭で決着した。有馬記念が行われた日曜は馬場の内側が荒れてスローペースでも外差しが決まったが、馬場造園課が熱心に馬場を整備したのか、日曜のように内が荒れておらず、ホープフルSまで4Rの芝戦のうち2Rが逃げ切りだった。
ドゥラエレーデは2番手から抜け出して14番人気で激走した。ダートで勝ち上がった切れより地力タイプ。東スポ杯2歳Sは前に行って切れ負けして4着に終わったが、今回は時計、上がりの掛かる馬場、スローペースを味方に粘り込んだ。セレクトセール1億1000万円のドゥラメンテ産駒で近親にサトノダイヤモンドがいる。池添学厩舎はG1初制覇。馬主のスリーエイチレーシングはドルチェモアが朝日杯FSを制している。今年のG1でドゥラメンテ産駒は[6−0−2−12]で単勝回収率616%、複勝回収率193%。ドイツリーディングのムルザバエフ騎手はJRA重賞初制覇がG1制覇となった。今後はタフな馬場を選びながら皐月賞を狙うことになりそうだ。
トップナイフは前半5F61.5秒のスローペースで逃げ、メンバー9位タイの35.0秒で上がってハナ差の2着。[2−1−1−2]で6戦しているメンバー最多キャリアの7番人気が逃げて粘り込んだ。前走京都2歳Sは頭差の2着に負けたが、勝負どころで下がってきたビキニボーイと接触して外に振られるロスがあった。ゴール直後に突き抜けていただけに実質は萩S、京都2歳Sを連勝した馬という位置づけだったか。今年の芝重賞で横山典騎手&昆厩舎のコンビは[2−5−0−9]、冬場の1〜2月と11〜12月は[2−3−0−2]、7番人気以内なら[2−3−0−0]。来年1、2月の重賞でも注意したい。
キングズレインは後方からメンバー最速の34.3秒で追い込んで0.2秒差の3着。7枠15番スタートから終始外を回り、4コーナーでジュンツバメガエシが外に膨れたため、さらに外を回るロスがあった。連対した2頭の上がりを0.8秒上回っただけに勝負どころでもう少しロスを少なくできれば際どかったかもしれない。スローペースで前残りの展開で大外を回っていい脚を長く使っている。ルーラーシップ産駒で母はローズS勝ち馬タッチングスピーチ。今回は外枠で位置取りが悪くなったが、本来は好位からのレースができるタイプ。賞金を加算できなかったが、来年のクラシックに向けて能力を示した。
ファントムシーフは1枠1番から内ラチ沿いの7番手につけ、メンバー2位タイの34.6秒で上がって0.2秒差の4着。4コーナーで前にシーウィザード、外にフェイトがいて動けず、仕掛けが遅れたことが堪えた。3番手につけたミッキーカプチーノが早めに前を捕まえられなかったことも誤算だったのではないか。中山に輸送して馬体10キロ増。少し太めが残っていた点も影響している。G1で西村厩舎は[0−1−0−24]で朝日杯FSでタイセイビジョン(2人気)があるのみ。5番人気以内では[0−1−0−4]。手先が軽く運動神経がいい馬。立ち回りの上手さを生かせれば、どこかで重賞を勝てそうだ。
ミッキーカプチーノは大外18番枠から3番手につけ、メンバー12位タイの35.1秒で上がって0.3秒差の5着。スローの上がり勝負になり、勝負どころで前の2頭は馬なりだったが、ミッキーカプチーノは反応が悪く、戸崎騎手の手が動いていた。前走葉牡丹賞を内をロスなく回ったとはいえ、1分59秒1の好タイムで3馬身半差で圧勝した馬。外を回ったとはいえ、不甲斐ない内容だった。関西馬が3戦連続で関東圏に輸送したことが影響したのか。今年の芝重賞でエピファネイア産駒は[1−6−5−67]でイズジョーノキセキ(府中牝馬S)の1勝のみ。1番人気では[0−1−0−8]で不振が続いている。
セブンマジシャンは中団からメンバー4位の34.7秒で上がって0.4秒差の6着。向こう正面で外から上がって行く馬をやり過ごしたが、頭を上げて掛かっていた。4コーナーで外を回って直線でCデムーロ騎手が目一杯に追ったが、外から来たキングズレインに切れ負けした。祖父ハーツクライに似たガニ股走法。気難しそうなタイプで走りに荒々しさがあるが、タフなレースを経験したことが今後に繋がりそうだ。若葉S、スプリングSあたりで注意したい。
ハーツコンチェルトは内ラチ沿いの10番手を進み、メンバー2位タイの34.6秒で上がって0.5秒差の7着。スローペースで前残りの展開で1枠2番からロスなく回って馬群に突っ込んだが伸び切れなかった。飛びが大きいため、綺麗な馬場でノビノビ走れるコースが合うタイプ。流れが速くなって外から差すレースが理想だったが、逆のレースになった。今年のG1で松山騎手は[0−1−1−14]、10月23日以降の重賞では[0−0−1−15]で不振が続いている。
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