愛知杯
レース回顧
アートハウスはスタートを決めて3番手につけ、直線で馬場のいい外に出すとメンバー最速の33.9秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分3秒1。アブレイズが逃げて前半5F63.9秒(重)のスローペース。後半5F59.2秒、上がりは34.3秒、ラップは11.4−11.2−11.7秒。重馬場、内が荒れた馬場でスローペースになり、道中1〜4番手につけた馬が1〜4着を独占した。アートハウスは3番手から抜け出す正攻法のレースで重賞2勝目を挙げた。
重馬場でもスローの上がり勝負で軽いレースになったのが良かったのだろう。中内田厩舎の管理馬は休み明けに強いが、これで休み明けは4戦4勝になった。一度使うと反動が出て気配が落ちるが、今回はリフレッシュして調教の動き、パドック気配が良くなっていた。これまで2000m以上を使われてきた馬。重賞2勝でハンデ戦を使うとハンデが重くなるため、中山牝馬S、マーメイドSは使いにくく、ヴィクトリアマイルは距離が短い。そのため大阪杯に挑戦する可能性が高そうだ。
アイコンテーラーは7枠13番スタートから2番手につけ、メンバー4位の34.5秒で上がって0.3秒差の2着。中日新聞杯3着馬が荒れた内を通って2番手から粘り込み7番人気で激走した。前走中日新聞杯は前後半5F61.9−57.5秒、今回は63.9−59.2秒。緩い流れで前に行って上がりをまとめて粘り込むタイプ。流れが緩んだこと、差し馬の決め手が削がれる重馬場を味方に粘り込んだ。河内調教師は騎手時代にダービー初制覇を飾ったアグネスフライトが1月11日に老衰で死亡。天国からの後押しがあったか?使い込んだため、今後はひと息入れて新潟大賞典を目指すことになりそうだ。
マリアエレーナは2枠2番スタートから3番手につけ、メンバー2位の34.4秒で上がって0.5秒差の3着。荒れた内を突いて伸び切れなかった。トップハンデ56.5キロを背負っていたことも影響している。前向きさがあり道悪もこなすが、昨年小倉記念を1分57秒4で圧勝したように時計の出る馬場が合っている。今後もG3なら堅実に走りそうだ。
サトノセシルは1枠1番から内ラチ沿いの5番手につけ、メンバー5位の34.5秒で上がって0.9秒差の5着。道中ロスなく回って直線で少し外に出して追ったが、伸び切れなかった。切れより地力タイプのため、スローの上がり勝負になったことが堪えている。ルメール騎手は年明けから冴えない騎乗が続いている。
ルビーカサブランカは後方から捲って5番手に押し上げたが、直線で一杯になって1.5秒差の8着。上がりはメンバー11位の35.1秒。スローペースの前残りの展開で大外から強引に捲っては厳しかった。前走チャレンジCは川田騎手が騎乗して中団につけたが、武豊騎手が騎乗すると位置取りが悪くなっている。
ルージュエヴァイユは後方のまま見せ場なく12着。条件戦を1番人気で2連勝して3番人気に支持されたが、重馬場が影響したのか、後方のまま全くいいところがなかった。スローペースで切れる脚を使って差し追い込みを決めるタイプ。流れ、位置取り、馬場などが噛み合えば、重賞でも通用するのではないか。
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