京成杯
レース回顧

ソールオリエンスは5番手の外からメンバー最速の34.5秒で差し切って2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは2分2秒2。グラニットが逃げて前半5F62.2秒のスローペース。後半5F60.0秒、上がり35.4秒、ラップは12.2−11.7−11.5秒で尻上がり。時計、上がりが掛かる少しタフな馬場でのスローの上がり勝負になった。ソールオリエンスは4コーナーで外に大きく膨れて後ろにいたセブンマジシャンの進路を妨害したが、そこから強烈な末脚で繰り出して豪快に差し切って圧勝した。得意の瞬発力勝負になったことがプラスに働いたが、4コーナーで外に寄れながら最速上がりで圧勝したようにこのメンバーでは能力が上なのだろう。

横山武騎手はこの日4勝で年明けは2位の9勝。昨年からG3では[0−2−5−15]で勝ち星がなかったが、ようやく2番人気で制した。横山武騎手は昨年の秋華賞のナミュールでも4コーナーで外に膨れている。スピードに乗った状態で4コーナーに突っ込んでいるのか。今回はセブンマジシャンがルメール騎手で上手く回避したが、事故が起こってもおかしくない騎乗をしている。ソールオリエンスは最後逆手前で走っていた。左回りの方が合いそうだ。賞金を加算できたため、今後は皐月賞に直行する予定。今年の重賞で社台F生産馬は[2−3−0−9]、社台RHは[2−0−0−2]。この傾向に注意したい。

オメガリッチマンは内ラチ沿いの5番手を進み、直線で外に出すとメンバー3位タイの35.0秒で上がって0.4秒差の2着。最低の9番人気で激走し大波乱を演出した。直線で外に出した後、さらに外に寄れたことで3着セブンマジシャンの進路を妨害し戒告処分を受けた。内ラチ沿いをロスなく回ったこと、スローの上がり勝負になったことがプラスに働いたが、メンバーレベルが低かったこともあるのだろう。2〜5着は関西馬。昨年の3歳芝重賞は関東馬13勝(社台系生産馬10頭)、関西馬21勝。関東馬は社台の馬を除くとレベルが低い可能性がある。

セブンマジシャンは出遅れて後方を進み、メンバー2位の34.9秒で追い込んで0.6秒差の3着。4コーナーで外に膨れたソールオリエンスの煽りをモロに受け、直線で外に寄れたオメガリッチマンに進路を塞がれて頭を上げる不利があった。スムーズなら最低でも2着があったのではないか。今年は川田騎手が10勝、横山武騎手が9勝を挙げているが、ルメール騎手は2勝のみ。昨年秋以降の重賞で1番人気では[3−0−2−3]でイクイノックスで2勝。2番人気以下では[1−1−2−19]で連対率8.7%。ルメール騎手を絶対視する時代は終わっている。

シャンパンカラーは大外枠から掛かって2番手を進み、直線で一杯になって0.8秒差の6着。マイルで連勝してきた馬が芝2000mのスローペースで折り合いを欠いて自滅した。グラニットの逃げがスローならハナを切って自分で流れを作った方が良かったかもしれないが、直線で見せ場なく一杯になったように距離が長いこともあるのだろう。今後はマイル路線に向かうことになりそうだ。

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