東京新聞杯
レース回顧

ウインカーネリアンは1枠2番からハナを切って前半3F34.4秒、5F57.1秒で進み、メンバー12位の34.7秒で後続を引き離し、最後はナミュールの追撃を頭差凌ぎ切ってレースを制した。勝ちタイム1分31秒8はレースレコード。19年にインディチャンプが勝ったときは、前半3F34.5秒、5F57.2秒、勝ちタイム1分31秒9だった。インディチャンプは同年の安田記念とマイルCSを制している。

ウインカーネリアンは昨年谷川岳S、米子S、関屋記念を3連勝したが、今回はさらに強いメンバーを相手にパフォーマンスを引き上げた。入念に乗り込んで調教の動きが良かったが、パドックでは雄大な馬体が目立っていた。長期休み明けを除き、芝1600mで逃げまたは先行したときは[5−1−0−0]。1分31秒台で勝ったことで高速決着になる安田記念が楽しみになった。その前にドバイ遠征が視野に入る。

ナミュールは8枠15番スタートから5番手につけ、メンバー7位の34.0秒で上がって頭差の2着。直線半ばでエンジンが掛かってガツンと伸びかけたが、逃げたウインカーネリアンにひと伸びされて捕まえられなかった。それでも4歳牝馬が56キロを背負い、外枠から外を回って1分31秒8で2着に入ったことを評価したい。東京芝1600mでこの走りができれば、高速決着になるヴィクトリアマイルを狙える。

プレサージュリフトは大外16番枠から中団につけ、メンバー3位タイの33.7秒で上がって0.1秒差の3着。ルメール騎手が中団につけ、直線で外から持ってきた。昨年のクイーンC勝ち馬で左回りの芝1600mは[2−0−2−0]。前走16キロ増えた馬体がさらに6キロ増えてボリュームアップしていた。レースを使われながら終い一辺倒でなくなってきた。春の最大目標はヴィクトリアマイルになる。

ジャスティンカフェは12番手から直線で馬群に突っ込んでメンバー最速の33.3秒で上がり0.1秒差の4着。福永騎手が直線で狭いところを捌きながら伸びてきたが、最後にナミュールが外に寄れて追いにくい面があった。最後まで鞭を入れていない。勝ったウインカーネリアンの上がりを1.4秒上回っている。昨年以降の芝重賞で福永騎手は[1−6−4−46]で皐月賞・ジオグリフの1勝のみ。引退が近いため、無理な騎乗はしない。

エアロロノアは後方からメンバー2位の33.6秒で上がって0.2秒差の5着。外から切れる脚を使っているが、速い流れでも逃げた馬が粘る展開では厳しかった。昨年の安田記念は0.2秒差の7着、マイルCSは0.4秒差の7着。勝ち切れないレースが続いているが、外差し馬場&差しが決まる展開になれば侮れない。

ピンハイは中団につけたが、直線で伸び切れず0.5秒差の8着。前半5F57秒台で流れたレースは初めて想定より流れ、勝ちタイムが速くなり、小柄な牝馬が追走に苦労したぶん伸び切れなかった印象。東京への輸送があったにしても馬体が増える冬場の休み明けで6キロ減っていたのは、今後に向けて気になるところ。

[Home]