フェブラリーS
レース回顧

レモンポップは4枠7番から好スタートを決めて4番手に控え、メンバー3位の36.3秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分35秒6。ショウナンナデシコが逃げて前半3F34.6秒、5F59.1秒の速い流れ。上がりは36.5秒、ラップは12.1−12.0−12.4秒。流れが速くなり、良馬場で上がりの掛かる消耗戦になった。レモンポップは直線で追い出しを我慢し、タイミング良く抜け出してレッドルゼルの追撃を完封しG1初制覇を飾った。テン乗りの坂井騎手が落ち着いて上手く乗っている。

前走根岸Sは時計、上がりの掛かる馬場だったが、勝ちタイム1分22秒5は過去の根岸Sの良馬場での最速タイムだった。速い流れで差すレースをして好タイムで勝ったことはダテではなかった。初のG1、初の58キロ、ベストではないダ1600m、テン乗りの坂井騎手。条件は楽ではなかったが、今年は昨年の中央G1馬カフェファラオ、ジュンライボルトの出走がなく、例年よりレベルの低いメンバーだった。これでダートでは[8−3−0−0]。今後国内では使うレースが限られるため、海外が視野に入る。田中博厩舎はG1初制覇。今年は走る馬が揃っており、飛躍の年になりそうだ。

レッドルゼルは8枠15番スタートから後方3番手を進み、大外からメンバー最速の35.7秒で追い込んで0.2秒差の2着。上がりの掛かる消耗戦で追い込むレースをして末脚が爆発した。21年のフェブラリーSは10番手から35.5秒で上がって0.5秒差の4着、昨年は8番手から34.9秒(重)で上がって0.8秒差の6着。今年2着に突っ込めたのは良馬場で時計、上がりの掛かる馬場だったこと、昨年の中央G1馬2頭が出走しなかったことが大きかったのではないか。安田隆厩舎の管理馬は7歳になってもパフォーマンスが落ちない。次走はドバイゴールデンシャヒーンに向かう予定。

メイショウハリオはスタートした後に躓いて離れた最後方を進み、大外からメンバー2位の35.8秒で追い込んで0.6秒差の3着。離れた最後方は致命的と思われたが、大外から強烈な末脚で突っ込んできた。調教診断で1位評価したように仕上がりは良かっただけにスタート後の躓きがもったいなかった。G1で連戦が続いたため、今後はひと息入れて平安Sから帝王賞の連覇を狙うことになりそうだ。調教診断の1位評価から2〜5位評価の4頭にワイドで流すとおいしい配当が的中することが多いことを付け加えておく。

ドライスタウトは4番手からメンバー6位の36.9秒で上がって0.7秒差の4着。直線でレモンポップの内にいたが、レモンポップに馬なりで引き離された。キャリアの浅い4歳馬で現時点では力負け。前走すばるSでバトルクライ(根岸S3着)に負けた馬が2番人気というのは過剰人気だったのではないか。全日本2歳優駿を勝った馬。次走は賞金が足りれば、かしわ記念に向かうことになりそうだ。

アドマイヤルプスは8番手からメンバー5位の36.8秒で上がって0.8秒差の5着。内田騎手がスタート後に押して好位につけようとしたが、8番手につけるのが精一杯だった。切れより地力タイプだけにもう1、2列前につけていれば馬券圏内があったかもしれないが、現時点の力は出している。近走不振馬が叩き2戦目、ブリンカーを装着して復調気配を示す5着。賞金を加算する必要があるが、地方交流重賞が視野に入る。

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