中山記念
レース回顧
ヒシイグアスは10番手の馬込みで脚をタメ、直線で外に持ち出すとメンバー最速の34.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分47秒1。ドーブネが逃げて前半3F36.4秒、5F60.0秒のスローペース。後半5F58.9秒、上がりは35.4秒、ラップは11.6−11.4−12.4秒。直線でごちゃついた馬が多く、外から差した2頭で決着。ヒシイグアスは強風の中、馬込みで風をよけながら進み、直線で外に持ち出してスペースを確保し、目一杯に追えたことが大きかった。
元々小回りコースを得意にしており、これまで良馬場の芝1800mは[3−2−0−1](全て2〜4番手)で中山記念を1分44秒9で勝っている。今回は差すレースになったが、G1の香港カップ、宝塚記念では差すレースで2着に突っ込んでいる。7歳馬が長期休み明け、馬体14キロ増で過去最高体重で勝ったようにG1級の能力があるからこそなのだろう。次走は大阪杯でG1獲りを目指すことになりそうだ。松山騎手は昨年の京都大賞典・ヴェラアズール以来となる重賞制覇となった。
ラーグルフは11番手に控え、大外からメンバー2位の34.7秒で追い込んで0.1秒差の2着。中山金杯勝ち馬が8番人気で激走した。道中外を回り、勝負どころで大外を回るロスがあったが、ラスト1Fのラップが落ちたことで突っ込んできた。ホープフルSで3着がある馬が得意の中山でパフォーマンスを引き上げた。昨年以降の重賞で宗像厩舎は10番人気以内なら[2−3−4−7]で複勝率56%。人気薄で激走が多い。
ドーブネは前半5F60.0秒のスローペースで逃げ、メンバー8位タイの35.6秒で上がって0.2秒差の3着。トーラスジェミニが逃げれず、ショウナンマグマが2番手に控えたことでマイペースで逃げることができたことが大きかった。直線で内に寄れて他馬の進路を妨害したため、武豊騎手は戒告の制裁を受けている。
シュネルマイスターは7番手から最内を突いてメンバー3位の34.9秒で上がって0.2秒差の3着。バシュロ騎手が最内を突いたが、前にいたドーブネが寄れたため、イルーシヴパンサーと接触して狭くなるロスがあった。3着ドーブネとはハナ差。スムーズなら馬券圏内だったか。馬体が14キロ増えて太めの造りだった。
イルーシヴパンサーは内ラチ沿いの5番手を進み、直線で外に出せず内を突いたが、前にいたドーブネが内に寄れてスペースがなくなり、接触したシュネルマイスターに進路を譲って0.5秒差の8着。直線でスムーズなら勝ち負けできたのではないか。Mデムーロ騎手は内に斜行したことで過怠金1万円の制裁を受けている。
ソーヴァリアントは5番手からメンバー11位の35.8秒で上がって0.8秒差の9着。初の芝1800m、初の57キロ、馬体12キロ増、外を回って強風を受けたことが影響したのか、いつもの走りではなかった。横山武騎手は土日7勝したが、昨年以降の芝重賞で1番人気では[1−1−3−6]で不振が続いている。
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