オーシャンS
レース回顧

ヴェントヴォーチェは5枠9番スタートから中団の外につけ、ら勝負どころで4番手に押し上げるとメンバー3位の33.3秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分7秒4。レイハリアが逃げて前半3F33.4秒、上がり34.0秒、ラップは11.4−11.1−11.5秒。速い流れで差した3頭で決着。ヴェントヴォーチェは中団の外から早めに動いて力で捻じ伏せる強い勝ち方で重賞2勝目。休み明けで乗り込みは少なかったが、長距離輸送で絞れたのか馬体4キロ減で太くなかった。昨年の春雷Sを1分6秒8の好タイムで3馬身差で圧勝した馬。成績にムラがあるが、これでルメール騎手では2戦2勝となった。21年の春雷Sを好タイムで圧勝したジャンダルムは昨年オーシャンSとスプリンターズSを制している。次走は高松宮記念でG1獲りを目指すが、ルメール騎手がドバイ遠征のため乗り替わる予定。

ディヴィナシオンは1枠1番から内ラチ沿いの中団を進み、4コーナーから直線で外に出すとメンバー6位タイの33.5秒で上がって2馬身差の2着。近走不振の6歳馬が15番人気で激走した。菅原騎手が内をロスなく回って勝負どころでスムーズに外に出せたことが大きかった。昨年佐世保Sを1分7秒1で勝ち、今年のラピスラズリSではメンバー最速の33.6秒で追い込んで0.3着。1分7秒台の持ちタイムがある馬を菅原騎手が1枠1番からロスなく回って切れ味を引き出した。菅原騎手は昨年以降重賞で10回連対したが、6、4、12、7、8、10、10、2、8、15番人気で8頭が人気薄だった。

エイシンスポッターは10番手からメンバー5位の33.4秒で上がって0.4秒差の3着。勝負どころで外からスンリにマークされて厳しいレースになったが、直線で外に持ち出すと鋭く伸びて最後は外から来たマリアズハートの追撃をハナ差凌ぎ切って3着を確保した。前走3勝クラスを勝った馬が昇級戦、重賞初挑戦、角田河騎手初の中山で1分7秒台で走って3着なら今後のメドは立ったのではないか。末脚がしっかりしたエイシンヒカリ産駒の4歳馬。これからスプリント路線で活躍できそうだ。

マリアズハートは13番手からメンバー2位タイの33.2秒で上がって0.4秒差の4着。大外16番枠で位置取りが悪くなったことが堪えたが、得意の中山で切れる脚を使って7歳馬でも衰えがないことを示した。重賞では善戦止まりが続いているが、馬場、展開が味方すれば馬券圏内に突っ込んでもおかしくない。

ジュビリーヘッドは4番手からメンバー12位の34.3秒で上がって0.6秒差の6着。速い流れで差し馬向きの展開になり直線で伸び切れなかったが、前に行った馬の中では最先着。時計、上がりが速くなったこともあるが、やはり詰めが甘い。安田隆厩舎の管理馬は高齢になっても走るが、ここから大きくは変わらないか。

ナランフレグは後方からメンバー2位タイの33.2秒で上がって0.7秒差の9着。乗り込んで調教は動いていたが、馬体15キロ増で太めの造りだった。59キロを背負い、後方から追い込むレースになり、直線でスムーズさを欠いては厳しかった。直線で詰まりながら33.2秒で上がっている。7歳馬でも衰えてはいない。

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