中山牝馬S
レース回顧
スルーセブンシーズは中団の後ろから勝負どころで外を回って進出し、メンバー最速の33.8秒で豪快に差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分46秒5。ウインピクシスが逃げて前半3F36.7秒、5F60.1秒の緩い流れ。後半5F57.8秒、上がり34.5秒、ラップは12.0−11.2−11.3秒。流れが緩んで後半5Fの持続力&瞬発力勝負になった。スルーセブンシーズは外を回って2位を0.6秒上回る強烈な末脚で差し切って重賞初制覇。
前走初富士Sで牡馬を相手に56キロを背負って勝ったのはダテではなかった。これまで33秒台で上がったことがない馬が外を回って33.8秒の最速上がりを繰り出した。21年のオークスで相馬眼的に評価して穴馬○で狙った馬がようやく馬体が充実して本格化してきた。今後は福島牝馬S、または距離は短いがヴィクトリアマイルか。秋のエリザベス女王杯、有馬記念に向けて注目していきたい。
ストーリアは中団から早めに押し上げ、メンバー2位の34.4秒で上がって0.2秒差の2着。前走初音Sで10着に惨敗して格上挑戦できた馬が6番人気で激走した。52キロの軽ハンデ、中山得意な横山武騎手の積極的な騎乗が上手く嵌まった印象。チャレンジCを勝ったロードマイウェイの半妹。これで芝1800mは[2−3−0−1]。次走は芝1800mの福島牝馬Sになりそうだ。
サトノセシルは中団から勝負どころで徐々に進出し、メンバー3位タイの34.5秒で上がって0.5秒差の3着。最後のひと伸びで1番人気のアートハウスを交わして3着に突っ込んだ。これで良馬場のG3では[0−2−2−0]で3着以内を確保。今年7歳になったが、良馬場のG3では堅実に走っている。
アートハウスは内ラチ沿いの3番手からメンバー6位タイの34.7秒で上がって0.5秒差の4着。勝負どころで外から蓋をされて仕掛けが遅れたが、直線で伸びなかったのは、トップハンデ57キロと馬体12キロ減でガレていたせいか。中内田厩舎の管理馬で休み明けは[4−0−0−0]、叩き2戦目は[0−0−0−4]。調教は動いていたが、長距離輸送が影響したのかデキが落ちていた。
クリノプレミアムは5番手から勝負どころで早めに動き、メンバー10位タイの35.0秒で上がって0.7秒差の5着。Mデムーロ騎手は早めに動いて勝ちに行ったが、最後に一杯なった。昨年とほぼ同じ流れだったが、後半5Fは昨年が58.4秒、今年が57.8秒。ラスト2Fは昨年が11.7−11.8秒、今年は11.2−11.3秒。地力タイプだけに上がりが速くなったことが堪えた。
スライリーは中団からメンバー8位タイの34.8秒で上がって0.9秒差の6着。道中は中団の馬込みにいたが、勝負どころで外から来た馬に先を越されて仕掛けが遅れ、直線で切れる脚を使えなかった。流れが緩んで後半5F57.8秒、ラスト2F11.2−11.3秒の上がり勝負では厳しかった。2戦連続で馬体が6キロ増えて過去最高を記録したように充実してきている。少し嵌まれば激走がありそうだ。
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