フィリーズレビュー
レース回顧
シングザットソングはスタートを決めて6番手につけ、勝負どころで押し上げて前を射程圏に入れるとメンバー8位タイの35.4秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分20秒7。エコロアイが逃げて前半3F33.2秒のハイペース。上がりは35.8秒、ラップは12.0−11.8−12.0秒。ハイペースで上がりが掛かる消耗戦になり、差し追い込み馬が上位を独占した。シングザットソングは最後にクビ差まで迫られたが、ずっと外を回って早めに動いており着差以上の内容。
前2走出遅れて後方から最速上がりを繰り出して5、3着に負けた馬が、スタートを決めて好位につけ、自分から動いて勝ちに行くレースで重賞初制覇を飾った。社台RHのドゥラメンテ産駒。高野厩舎がゲートを練習してきたこともあるが、吉田隼騎手がスタートを決めたことが大きかった。エルフィンS組は2着コナコーストがチューリップ賞2着、シングザットソングがフィリーズレビュー1着と結果を出している。次走は桜花賞に向かうことになりそうだ。
ムーンプローブは7枠15番スタートから9番手につけ、メンバー3位タイの34.9秒で上がってクビ差の2着。ハイペースで上がりの掛かるレースになり、外からしぶとく伸びて突っ込んだ。これで阪神は[2−1−0−1]。前走阪神JFは前半3F33.7秒のハイペースで先行して17着に終わったが、距離1F短縮、差すレースで巻き返した。母スマイリングムーン、祖母スプレッドスマイルはダート短距離馬だった。
ジューンオレンジは出遅れて後方を進み、メンバー最速の34.5秒で上がってクビ+クビ差の3着。前走小倉芝1200mのかささぎ賞で5着に終わった馬が11番人気で激走した。4走前に阪神芝1400mで1分21秒4で走って0.4秒差の2着がある。前3走3、2、1位の上がりを繰り出していたようにハイペースで上がりが掛かったことで突っ込めたのだろう。富田騎手は重賞[0−1−1−37]で2度目の馬券圏内。
ルーフは7番手からメンバー7位の35.2秒で上がって0.2秒差の4着。道中シングザットソングを見ながら進めて直線で追ったが伸び切れず、外から来た2頭に交わされた。芝1400mもこなせるが、ハイペースで距離適性の差が出た印象。もう少し緩い流れならシングザットソングとワンツーを決めていたのではないか。桜花賞の出走権を獲れなかったため、今後は芝1200mの橘Sから葵Sに向かうことになりそうだ。
ブトンドールは11番手を進み、直線で内にモタレて全く追えずに0.4秒差の6着。ハイペースで上がりの掛かるレースは理想的だったが、馬が馬込みを気にしたのか、内にモタれて追えなかったようだ。パトロールビデオを見るとそれほどモタれているようには見えない。調教が少し軽かったことを考えると攻められない何かがあったか。芝1200mの葵S、函館スプリントS(函館2歳S勝ち馬)に使ってきたら注意したい。
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