高松宮記念
レース回顧

ファストフォースは7枠13番から7番手の外につけ、メンバー5位の35.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分11秒5(不良)。直線で外に寄れてアグリの進路を塞いだため、団野騎手は過怠金5万円が課せられた。キルロードが逃げて前半5F35.6秒。上がりは35.9秒、ラップは11.6−11.9−12.4秒。上がりの掛かるレースになり、差し追い込み馬が上位を独占した。2〜6着は道中10、10、15、18、10番手。ファストフォースはその馬たちよりも前で進めて直線でスペースを確保して早めに抜け出して粘り込んだ。小倉のCBC賞を1分6秒0のレコードで逃げ切り、中京のセントウルSを1分6秒6で0.4秒差の2着、前走シルクロードSを1分7秒3で頭差の2着に入った馬が不良馬場で12番人気で穴をあけた。シルクロードSを勝ったナムラクレアは2番人気、頭差の2着ファストフォースは12番人気。人気の盲点になっていた。これで芝1200mの稍重以上では[3−2−0−2]。パワーのある大型馬が不良馬場でパフォーマンスを引き上げたが、外枠、位置取り、コース取りが上手く嵌まった感もある。中京の重賞で団野騎手は[3−3−1−16]。中京の得意でG1初制覇となった。

ナムラクレアは7枠15番から10番手を進み、メンバー4位の35.4秒で上がって0.1秒差の2着。直線で外からファストフォースを追ったが、不良馬場が影響したのかそれほど切れる脚を使えなかった。良馬場のシルクロードSでは斤量1キロ差でファストフォースに勝ったが、今回は2キロ差に広がって有利になっていたが不良馬場で逆転された。スプリンターズSは内が有利な馬場で外を回って5着に終わったが、今回は外が有利な馬場になり、外枠を克服することができた。高速決着にも対応できる馬。スプリンターズSが内が有利な馬場で内枠を引ければG1初制覇のチャンスになりそうだ。

トゥラヴェスーラは1枠1番から内をロスなく進み、直線で1頭だけ内を通ってメンバー3位の35.3秒で上がり0.2秒差の3着。13番人気で激走した。過去2年の高松宮記念は重馬場で0.2秒差の4着、0.1秒差の4着。スプリンターズSは0.3秒差の7着、スワンSは0.2秒差の4着、阪神カップは0.2秒差の8着で少し足りないレースが続いていたが、不良馬場、1枠1番からロスなく回ることで馬券圏内に突っ込んだ。社台の馬が1枠1番に入ったら要注意。

ナランフレグは出遅れて最後方を進み、直線で内めの馬群に突っ込んでメンバー2位の35.1秒で上がり0.3秒差の4着。出遅れた後に押したぶんと昨年より悪化した馬場で届かなかったが、7歳馬が大きな衰えがないことを示した。例年の高松宮記念では高齢馬は不振だが、今年は不良馬場で1〜4着は7、4、8、7歳馬(12、2、13、9人気)だった。タフなレースを経験してきた高齢馬が上位に入っている。

グレナディアガーズは少し出遅れた後に内に入れて最後方を進み、メンバー最速の34.9秒で追い込んで0.5秒差の5着。昨年の高松宮記念と同様に全く行く気がなく、追い込むレースに徹していた。昨年は内が有利な馬場で0.5秒差の12着に終わったが、今年は外が伸びる馬場で0.5秒差の5着まで追い上げた。朝日杯FSを先行してレコード勝ちした馬。折り合いを欠くのが怖いのか。G1は攻めの騎乗をしないと勝てない。

ロータスランドは10番手からメンバー6位の35.6秒で上がって0.5秒差の6着。道中内と外からマークされて位置取りが悪くなり、直線で外に出して伸びてきたが届かなかった。勝ったファストフォースとは上がり0.1秒差。岩田康騎手はもう少し前で進めれば馬券圏内があったとコメント。前走京都牝馬Sで出遅れて最速の32.8秒で追い込んだことが岩田康騎手の頭にあったのではないか。位置取りが後ろ過ぎた。

アグリは6枠12番から3番手につけ、直線で早めに抜け出してメンバー8位タイの36.3秒で上がり0.6秒差の7着。直線でファストフォースに寄られて横山和騎手が手綱を引く不利があった。前に行った馬の中では最先着。タフな不良馬場、経験の少ない芝1200mで外枠から先行して早めに先頭に立って強いレースをしている。4連勝で阪急杯を勝ったのはダテではない。今後の重賞戦線で活躍できそうだ。

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