ダービー卿CT
レース回顧

インダストリアはスタートを決めて7番手につけ、メンバー3位タイの33.4秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分33秒2。ベレヌスが逃げて前半5F35.4秒、5F59.1秒の緩い流れ。上がりは34.1秒、ラップは11.6−11.3−11.2秒で尻上がり。逃げ馬トーラスジェミニが出遅れたことで流れが緩み、上がり勝負になった。インダストリアはスタートを決めて流れに乗り、勝負どころから直線で自分のスペースを確保できたことが大きかった。これで中山芝1600mは3戦3勝。中山の急坂で加速できるタイプが3番人気で重賞初制覇を飾った。戸崎騎手は2月以降の重賞で[0−0−0−13]だったが、花粉シーズンが終わって調子を上げてきた。馬主のサンデーRはようやく今年重賞2勝目となった。インダストリアはNHKマイルCが0.4秒差の5着、東京新聞杯が0.5秒差の7着。東京の安田記念は高速決着に対応して直線でひと脚使えるかがカギになる。

ジャスティンカフェはスタートを決めて9番手につけ、直線で外からメンバー3位タイの33.4秒で上がって0.1秒差の2着。道中インダストリアの後ろにいたが、外からタイムトゥヘヴンにマークされて動けず、勝負どころで仕掛けが遅れ、直線で馬群を捌くのに手間取ってまともに追えたのはラスト300mだけだった。勝ったインダストリアより2キロ重い58キロを背負って同じ上がりを繰り出している。スムーズなら勝っていたかもしれないが、スムーズなレースをするのが難しいタイプ。ルメール騎手でも勝てなかった。それでも58キロを背負って能力を示す2着。賞金は加算できたが、安田記念に出走できるかは微妙なところ。

ゾンニッヒは8枠16番スタートから3番手につけ、メンバー8位の33.7秒で上がって0.2秒差の3着。不利な大外枠から先行してしぶとく粘ったが、流れが緩んで前に行った馬が有利な展開だった。内が荒れて外が伸びる馬場で外枠不利が緩和された感もある。それでも0.2秒差の3着なら重賞でやれるメドは立った。先行してひと脚使えるのは今後も強みになる。

マテンロウオリオンは13番手からメンバー2位の33.2秒で上がって0.4秒差の4着。道中ロスなく回り、直線で外に出せず、荒れた内を突いて伸びてきた。流れが緩んで後方からでは厳しく、かつ荒れた内を通ったことも堪えた。NHKマイルC2着以降、馬券圏内がないが、色々なレースを経験して地力が強化されている。展開と位置取りがマッチすれば突っ込みがありそうだ。

レッドモンレーヴは大きく出遅れて後方2番手からメンバー最速の33.0秒で追い込んで0.5秒差の7着。大外をブン回して最速上がりを繰り出したが、大きな出遅れは致命的だった。翌日の大阪杯では1番人気のスターズオンアースが出遅れて2着に負けている。今年の重賞で1番人気は7勝、2番人気は17勝。昨年ほどではないが、1番人気は勝率が低い状態が続いている。

アナザーリリックは11番手から外を回ってメンバー6位の33.5秒で上がって0.5秒差の10着。連対したインダストリア、ジャスティンカフェとは上がり0.1秒差。自分のレースはできたが、流れが緩んで上がりが速くなり、ラスト3F尻上がりラップでは厳しかった。

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