大阪杯
レース回顧

ジャックドールは前半5F58.9秒で逃げ、メンバー8位の35.3秒で上がり、最後はスターズオンアースの追撃をハナ差凌ぎ切ってレースを制した。勝ちタイムは1分57秒4。後半5F58.5秒。ラスト6Fから11、4−11.7−11.5−11.4−11.4−12.5秒。馬場が乾いて時計、上がりが速くなり、ラスト6Fからペースアップして後続を脚を使わせて粘り込んだ。昨年の大阪杯は前半5F58.8秒、後半5F59.6秒で0.5秒差の5着に終わったが、2F目を10.3秒で飛ばし、かつ時計、上がりが掛かる荒れた馬場だった。高速馬場の金鯱賞を1分57秒2のレコードで圧勝した馬が高速化した馬場を味方に逃げてG1初制覇を飾った。武豊騎手は最年長G1制覇記録を更新。ラスト2F11.4−12.5秒でギリギリ押し切ったように絶妙なペースでの逃げ切りだった。昨年は金鯱賞をレコード勝ちして中2週で大阪杯に出走して5着に終わったが、今年は暮れの香港カップから直行だった。最近のG1は前哨戦を使わずに直行した馬が活躍している点に注意したい。ジャックドールは次走未定だが、天皇賞(秋)でリベンジを目指して昨年と同様に札幌記念で復帰することになりそうだ。

スターズオンアースは出遅れて12番手を進み、メンバー最速の34.4秒で追い込んでハナ差の2着。出遅れて位置取りが悪くなり、直線で少しスムーズさを欠いて仕掛けが遅れたことが響いた。秋華賞でも出遅れて直線でスムーズさを欠いており、2戦連続で同じような負け方だった。スムーズなら秋華賞で3冠を達成し、大阪杯も勝っていたのではないか。それでも古馬&牡馬と初対戦の明け4歳馬が56キロを背負い、1分57秒4で走ってハナ差の2着に入ったことを評価したい。秋華賞でも馬体が化けていたが、さらに馬体が成長して化けてきている。大外18番枠のオークスを2分23秒9の好タイムで強いレースで勝った馬。もっと距離が長く、直線の長いコースが合っている。相馬眼的に秋のジャパンCはメンバー次第でやれるのではないか。

ダノンザキッドは7枠13番から4番手につけ、メンバー5位タイの35.0秒で上がってハナ+クビ差の3着。前走中山記念で先行して11着に惨敗した馬が1分57秒4で走って10番人気で激走した。芝2000mはホープフルS1着、香港カップ2着、弥生賞3着があり、これで阪神芝は[1−1−2−0]。マイルCSを勝ったペルシアンナイトが大阪杯で2着に入ったように大阪杯は高速決着になると芝2000mをこなすマイラータイプの激走があるが、そのパターンになった。ダノンザキッドは香港カップでジオグリフ、レイパパレ、パンサラッサに先着したのはダテではないことを示した。安田隆厩舎の管理馬が激変があるので侮れない。

ジェラルディーナは13番手から内を突いてメンバー2位タイの34.9秒で上がって0.6秒差の6着。内を突いて伸びてきたが、位置取りが後ろ過ぎ、かつ直線でスペースが狭く伸び切れなかった。岩田望騎手は平場のレースでは乗れているが、G1では位置取りが後ろになって力を出せずに終わることが多い。G1で岩田望騎手は[0−1−0−32]で1連対のみ。

ヒシイグアスは5番手からメンバー10位タイの35.4秒で上がって0.6秒差の7着。7枠14番から好位につけたが、高速決着で外々を回って厳しくなった。前走中山記念は前半5F60.0秒の緩い流れで馬込みで脚をタメるレースだった。今回は1分57秒4の高速決着。ヒシイグアスには時計が速過ぎた。

ヴェルトライゼンデは7番手の外から勝負どころで上がって行き、メンバー8位の35.3秒で上がって0.7秒差の9着。高速馬場で流れが速くなり、外々を回って厳しくなった。手前を替えず逆手前で走っていたように右回りの高速過ぎる馬場が合わなかった。川田騎手がスタートして内に入れず外に出したことも堪えた。

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