皐月賞
レース回顧

ソールオリエンスは1枠1番からスタートが遅く下がった後にすぐに外に持ち出して15番手を進み、4コーナー17番手からメンバー最速の35.5秒で大外から豪快に差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分00秒6(重)。グラニットが逃げて前半5F58.5秒(重)のハイペース。前に行った馬、内を通った馬は壊滅状態になり、馬場のいい外に出した馬、外枠から外を通った馬が上位を独占した。午後に想定外の雨が降ったことで馬場の内側が悪化してさらに外が有利な状態になり、ハイペースで差し追い込み馬が有利になった。道中馬場のいい大外を通ってきた3頭で決着。

ソールオリエンスは京成杯と同様に4コーナーで大きく外に膨れたが、そこから2位を0.9秒上回る強烈な末脚で差し切った。過去最速となるデビュー3戦目での皐月賞制覇。ドゥラメンテが皐月賞を勝ったときのようなインパクトのある走りだった。ドゥラメンテはダービーも制している。横山武騎手がスタート後にすぐに外に出したこと、グラニットが飛ばして差し馬向きの展開になったことがプラスに働いた。レースのラスト3Fは12.7−12.5−12.0秒で尻上がり。これで3戦連続で尻上がりラップでの勝利となった。イクイノックスを出したキタサンブラック産駒からまた大物が現れた。

タスティエーラは7枠14番から大外の5、6番手を進み、勝負どころで早めに動いて直線で先頭に立ち、メンバー5位の36.6秒で上がって0.2秒差の2着。道悪巧者だったサトノクラウンの産駒。中2週の弥生賞を2分00秒4(良)で勝ったが、重馬場の消耗戦で2分00秒8で走ってパフォーマンスを引き上げた。外枠から楽に馬場のいい外を走れたことが有利に働いたが、差し馬向きの展開で好位から2着に粘ったことは評価できる。桜花賞はサンデーRの2頭で決着し、皐月賞は社台RH、キャロットFで決着。クラシックは社台馬主の決着が続いている。

ファントムシーフは4枠7番からスタートしてすぐに外に持ち出し、大外の11番手からメンバー2位タイの36.4秒で上がって0.5秒差の3着。4コーナーで外からシャザーンに来られて外に持ち出せず、直線でメタルスピードに前に入られて内に切れ込むロスがあったが、最後までしぶとく伸びて3着を確保した。ルメール騎手がスタート後に外に出して馬場のいい外を通ってきたことがプラスに働いている。レースを使いながら少しずつパフォーマンスアップしている。

メタルスピードは8枠17番から大外の9番手を進み、メンバー6位タイの36.7秒で上がって0.5秒差の4着。中山で好調の津村騎手が13番人気にあわやのシーンを作った。重馬場のスプリングSで0.3秒差の3着に入った馬。シルバーステート産駒で道悪が合うのだろう。

ショウナンバシットは2枠4番から13番手の内をロスなく進み、4コーナーでショートカット気味に進出し、直線で外に持ち出すとメンバー6位タイの36.7秒で上がって0.7秒差の5着。重、稍重で勝っている道悪巧者。道悪得意なMデムーロ騎手がひと工夫して持ってきた。

シャザーンは6枠11番から大外の12番手につけ、メンバー2位タイの36.4秒で追い込んで0.7秒差の6着。大外から伸びかけたが、最後はファントムシーフに伸び負けた。道悪はこなすが、馬場が悪くなり過ぎた。前3走は前半5F64秒以上のスローペース。速い流れを経験したことでピリッとしてくるか。

フリームファクシは10番手からメンバー9位の37.4秒で上がって1.4秒差の9着。これまでは少頭数で緩い流れ。今回は多頭数でハイペース。外から2列目を通っていたが、馬場が悪く伸び切れなかった。ディアドラの半弟で馬体の造りは目立つが、タフなレースの経験の少なさがモロに出た。

ベラジオオペラは7枠15番から2番手につけ、4コーナーで一杯になって1.8秒差の10着。スプリングSは大外から差し切ったが、田辺騎手がハイペースで先行して自滅した。田辺騎手はG1で差し追い込みで連対したことがない。パドックでは雄大な馬体が目立ち、仕上がりは良さそうだった。

タッチウッドは8枠16番から5番手につけたが、2コーナーで掛かって2番手に上がり、直線で失速して2.3秒差の13着。前2走はムーア騎手、バシュロ騎手。武豊騎手で折り合いを欠いて自滅した。馬体の造りが目立つ馬だが、パドックでは4キロ減以上に腹目が細くなっていた。

ホウオウビスケッツは5枠9番から内ラチ沿いの5番手につけたが、4コーナーで一杯になり3.1秒差の17着。荒れた内を通ってハイペースに巻き込まれて失速した。2走前のフリージア賞の後半5Fは57.7秒は高レベル。次走はダービーに向かう予定。良馬場で巻き返しに注意したい。

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