オークス
レース回顧

リバティアイランドはスタートを決めて6番手につけ、メンバー最速の34.0秒で差し切って6馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分23秒1。ライトクオンタムが逃げて前半5F60.0秒。後半5F59.1秒、ラップは12.0−12.0−12.0−11.6−11.5秒でラスト3Fが尻上がりだった。前に行ったライトクオンタム(社台RH)、キミノナハマリア、ラヴェル(キャロットF)が飛ばし、中盤のラップが落ちずに差し馬向きの展開になった。日曜は4、5、6Rが流れが緩んで前残りになったが、流れた9、10、11Rは外差しが決まった。

リバティアイランドは好位から最速上がりを抜け出し、ラスト3F尻上がりラップで6馬身差で圧勝。桜花賞と同様に一頭だけ異次元の走りをしている。川田騎手は芝2400mでどれくらいの脚を使うのかを試すために鞭を2発入れたようだ。最終調教と同様に騎手が指示を出すと即座に加速したように賢い馬なのだろう。前走桜花賞より馬体がスリムになり、長距離仕様の仕上げを施していた。阪神JF、桜花賞もそうだったが、今回も能力&末脚の威力が抜けていた。距離をこなして好タイムで勝ったことで今後のレース選択の幅が広がった。今後はひと息入れて秋は秋華賞で3冠を目指す予定。

ハーパーは6枠12番から8番手につけ、メンバー3位の34.8秒で上がって1.0秒差の2着。ルメール騎手がリバティアイランドの直後につけ、直線でリバティアイランドの後ろからしぶとく伸びてきた。3位以内の上がりを繰り出したことがなく、上がり勝負になると切れ負けの懸念があったが、前が飛ばして道中のラップが落ちなかったことが良かったのだろう。クイーンCで12キロ減、桜花賞で4キロ減で腹目が細くなっていたが、今回は6キロ増で少しフックラしていた。ダービーを3勝している友道厩舎。本番で上手く仕上げ、東京芝2400mが得意なルメール騎手が上手く乗っている。

ドゥーラは7枠13番スタートから14番手を進み、3、4コーナーである程度ロスなく進めて直線で外に出すとメンバー2位の34.1秒で追い込んで1.0秒差の3着。チューリップ賞15着、桜花賞14着に終わり、超大穴馬で狙った馬が単勝103倍の15番人気で激走した。チューリップ賞、桜花賞も仕上がりは悪くなかったが、関西圏の重賞で不振(特にG1)の戸崎騎手が下手に乗ったことが影響している。ドゥラメンテ産駒で雄大な馬体の造りからオークス向きとみていた馬。斎藤騎手はクラシック初騎乗で能力を引き出したが、欲を言えばもう1列前につければ連対できたかもしれない。

ラヴェルは1枠1番から3番手につけ、メンバー9位タイの35.9秒で上がって1.1秒差の4着。直線でラスト2Fから追い出して抜け出してしぶとく粘ったが、最後に力尽きた。アルテミスSでリバティアイランドを差し切った馬。3戦連続で馬体が減って腹目が細くなっていたが、これまで差すレースをしていた馬が前に行って見せ場を作ったことを評価したい。矢作厩舎の管理馬は心肺機能が高く、前に行って簡単にバテない。キタサンブラック産駒でナミュールの半妹。適距離に使えば、どこかで激走がありそうだ。

シンリョクカは8枠17番スタートから8番手の外につけ、メンバー6位タイの35.1秒で上がって0.3秒差の5着。桜花賞は阪神に輸送して馬体が6キロ減って細くなりパドックでイライラしていたが、今回は馬体が8キロ増えて馬体、気配が良くなっていた。これまではマイル向きの馬体に映ったが、サトノダイヤモンド産駒で少し体型が距離をこなす方に替わってきていた。不利な8枠17番から終始外を回ったことを考えると強いレースをしている。内枠からロスなく進めれば連対できたかもしれない。

ヒップホップソウルは4枠7番から内ラチ沿いの10番手につけ、メンバー3位タイの34.8秒で上がって1.3秒差の6着。直線で内に突っ込んだ後にスペースがなく、外に持ち出すロスがあった。最後までしぶとく伸びており、もう1、2列前で進めてしぶとさを生かせれば馬券圏内があったかもしれない。

コナコーストはスタートでソーダズリングにぶつけられて13番手を進み、直線で前が壁になって内に切れ込んでメンバー6位タイの35.1秒で上がって1.9秒差の7着。これまでは速い流れでも好位につけていたが、スタートでぶつけられて後方からのレースになったことが堪えた。体型的に距離も長かったのだろう。

ソーダズリングはスタートで内に寄れてコナコーストとぶつかってバランスを崩し、12番手からメンバー8位の35.3秒で上がって1.9秒差の8着。位置取りが悪くなり、中盤にラップが落ちずスタミナが問われる展開になったことが堪えた。芝1800〜2000m、特に秋のローズSで見直したい。

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