目黒記念
レース回顧

ヒートオンビートは5枠10番スタートから10番手の内ラチ沿いを進み、4コーナーから直線で外に持ち出すとメンバー3位の33.9秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分30秒8。ディアスティマが逃げて前半5F62.0秒のスローペース。後半5F57.9秒、ラップは11.7−11.7−11.2−11.3−12.0秒で後半5Fの持続力と最後に抜け出す瞬発力が問われるレースになった。ヒートオンビートはレーン騎手が内ラチ沿いをロスなく回り、直線でスムーズに馬群を捌いてきた。これまで重賞は[0−3−3−4]で勝ち切れないタイプだったが、テン乗りのレーン騎手で重賞初制覇を飾った。3着サリエラ、4着ゼッフィーロは外を回っており、レーン騎手のコース取りが大きかった。今後はひと息入れ、秋は京都大賞典あたりからジャパンCを目指すことになりそうだ。

ディアスティマはハナを切って前半5F62.0秒のスローペースで逃げ、メンバー7位の34.5秒で上がって頭差の2着。日経賞でタイトルホルダーに1.4秒差の3着に入った馬が6番人気で激走した。これまでは道中流れを緩めずに持久力勝負に持ち込んで好走していたが、今回はスローペースで後半5F57.9秒で走っている。ディープインパクト産駒の6歳馬。脚元が弱く長い休養があったが、馬体が12キロ絞れたことでようやく本来の姿を見せたか。これで芝2500mは[1−1−1−0]。スタミナな問われるこれくらいの距離が合うのだろう。

サリエラは8枠16番から10番手につけ、メンバー2位の33.8秒で追い込んで0.1秒差の3着。ルメール騎手ができるだけ外を回さないように馬込みで進めたが、直線で外に出して捌くのに少し手間取るロスがあった。勝負どころでズブいタイプ。4コーナーでルメール騎手の手が動いたが、そこで少し位置取りが悪くなったことが堪えた。勝ったヒートオンビートとは0.1秒差で重賞で通用するメドは立った。国枝厩舎のディープインパクト産駒。重賞は未勝利だが、凱旋門賞に登録している。

ゼッフィーロは16番手からメンバー最速の33.5秒で追い込んで0.2秒差の4着。川田騎手はスタートしたから行き脚がつかなかったとコメントしているが、ほとんど押しておらず、わざと後方からのレースをしたように映った。勝ったのは同じ社台RHのヒートオンビート。大人の事情でもあったのか。パドックでは馬体の張りが良く、馬は元気一杯でやる気十分だった。大外をブン回して最速上がりを繰り出したことを考えると1枠1番からまともなレースができれば、勝ち負けできたのではないか。

プラダリアは8番手からメンバー6位の34.3秒で上がって0.3秒差の5着。道中馬込みで進め、直線で外に持ち出して追ったが、それほど切れる脚を使えなかった。ディープインパクト産駒だが、これまで33秒台の上がりを繰り出したことがない地力タイプ。流れが緩んで33秒台で上がった馬が上位を占めるレースになったことが堪えた。今年はG2で3、3、5着で勝ち切れないレースが続いている。

バラジはスタートを決めて2番手につけ、メンバー9位タイの34.8秒で上がって0.4秒差の6着。直線で逃げたディアスティマとの叩き合いに負けて最後は一杯になった。芝2200mは[2−2−0−0]、芝2400mは[1−1−1−0]だったが、東京芝2500mは直線の坂を2回駆け上がるコースでスタミナが問われる。そのあたりが堪えたのではないか。芝2200mに使ってきたら注意したい。

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