ラジオNIKKEI賞
レース回顧
エルトンバローズは3枠6番からスタートを決めて内ラチ沿いの4番手につけ、直線で少し外に持ち出すとメンバー2位タイの34.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分46秒9。グラニットが逃げて前半5F59.7秒、上がりは35.2秒、ラップは11.6−11.5−12.1秒。開幕週である程度前につけて直線でひと脚使える馬が有利な馬場。グラニットが単騎逃げでそれほど飛ばさなかったことで先行した2頭で決着した。エルトンバローズは前走1勝クラスを勝った後に次走の狙い馬で取り上げた馬。西村騎手が騎乗して3連勝で重賞初制覇を飾った。
スタートを決めて先行して流れに乗り、直線でひと脚使えるタイプでレースが上手い。母の父ブライアンズタイムで底力も兼ね備えている。稍重では[1−1−0−0]。ディープブリランテ産駒は道悪巧者が多いため、渋った馬場の適性もありそうだ。芝1600mで2連勝してきたが、芝1800mで勝って距離をこなすことを示した。西村騎手は土曜の松島特別(芝1800m)をソレイユヴィータで勝ったように福島芝1800mで乗れている。重賞を勝って賞金を加算できたため、秋はマイルCSが目標になりそうだ。
シルトホルンは4枠7番からスタートを決めて2番手につけ、メンバー7位タイの35.2秒で上がって半馬身差の2着。勝負どころで手応えが良く、直線でグラニットを交わして先頭に立ったが、最後にエルトンバローズの地力と体力に捻じ伏せられた。前2走東京芝1600mの走りがレベルが高かったことを証明した。穴馬で狙い、当初は9番人気だったが、最後に大量投票があり4番人気まで急上昇した。スクリーンヒーロー産駒で末脚の持続力が優れている。かなり使い込んだため、今後はひと息入れることになりそうだ。
レーベンスティールは道中11番手を進み、直線で内から馬群を捌きながらメンバー最速の34.4秒で上がって0.1秒差の3着。2着とはハナ差。最後に外に持ち出してバルサムノートの進路を妨害したため、戸崎騎手は過怠金5万円が課せられた。道中外からマイネルモーメント(石川騎手)にマークされて動けず、直線で馬群に突っ込んで捌いてきたが、完全に脚を余した。これで[2−2−1−0]で上がりは全てメンバー最速。ラジオNIKKEI賞で追い込んで2着に負けたフィエールマンは菊花賞を制した。レーベンスティールは3着で賞金を加算できなかったため、菊花賞トライアルを使うことになる。
バルサムノートは5番手の内からメンバー2位タイの34.9秒で上がって0.2秒差の4着。最後にレーベンスティールに寄られて外に弾かれる不利を受けたが、既に脚色は鈍りかけていた。白百合Sを勝ったことでトップハンデ57キロ。勝ち馬は55キロ、2着馬は54キロだった。ハンデを考慮すると連対した2頭とは大きな差はない。
アグラシアドは少し出遅れて後方を進み、直線で内を突いたが、レーベンスティールに前に入られて減速する不利があり1.0秒差の10着。もっと速い流れで上がりが掛かった方がいいタイプ。グラニットがそれほど飛ばさず、前残りになったことが堪えた。リアルスティール産駒で馬体の造りが目立つ牝馬。レース慣れして噛み合えば走ってくる。
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