セントウルS
レース回顧

テイエムスパーダは6枠11番から押してハナを切って前半3F33.5秒で進み、メンバー11位の33.7秒で上がってレースを制した。勝ちタイムは1分7秒2。昨年小倉のCBC賞を逃げて1分5秒8のレコードで圧勝した馬。今回も開幕週の野芝でCBC賞と同じ条件だった。近走大不振が続いていたが、富田騎手が強引に押してハナを切ったこと、開幕週の高速馬場で33.5秒のマイペースで行けたこと、先行タイプのアグリが流れに乗れず後方からのレースになったことがプラスに働いている。富田騎手は9、10、11Rを3連勝。単勝112倍の14番人気で重賞初制覇となった。CBC賞は48キロだったが、今回は55キロでG2を制しパフォーマンスを引き上げた。次走のスプリンターズSも全面野芝。強気の逃げで再度激走するか。

アグリは流れに乗れず11番手の内を進み、直線で外に出すとメンバー最速の32.4秒で追い込んで0.2秒差の2着。これまでは先行してひと脚使うタイプだったが、今回は追い込むレースでこれまで見せたことがない強烈な末脚を繰り出した。阪神の内回りで並の馬なら届かない位置から2着に突っ込んだことを評価したい。スプリンターズSの前に末脚の威力を示し、脚質の幅を広げることができた。短距離王国・安田隆厩舎のカラヴァッジオ産駒。スプリンターズSでG1初制覇の可能性が出てきた。

スマートクラージュは8枠14番から8番手につけ、メンバー4位の33.0秒で上がって0.3秒差の3着。昨年秋に復帰してから全て芝1200mを使われ[0−0−4−1]で4回目の3着。調教で攻めて気配が良くなっていたが、パドックでは12キロ増えて馬体がボリュームアップしていた。池江厩舎のディープインパクト産駒。ここにきて少しずつパフォーマンスを引き上げている。

エイシンスポッターはスタート後に挟まれて後方2番手を進み、直線で内に切れ込んでメンバー2位の32.5秒で上がって0.5秒差の7着。前走CBC賞と同様に位置取りが悪くなり、強烈な末脚を繰り出しても届かなかった。末脚の威力は重賞メンバーでも上位。前半から流れに乗れるようになれば、重賞で勝ち負けできる。

ピクシーナイトはスタートで躓いて11番手を進み、メンバー3位の32.9秒で上がって0.5秒差の8着。最後に外から鋭く伸びてきたが、位置取りが悪くなったことが堪えた。レースを使われながら調教の動き、気配が良くなり復調してきている。スプリンターズSが前残りやすい馬場で内枠に入ったら要注意。

ビッグシーザーはスタートを決めて5番手につけたが、直線で伸び切れず0.7秒差の10着。上がりはメンバー12位の33.8秒。他馬より軽い55キロで好位からスムーズなレースができただけに力負け。ただし今回も馬体が増えて少し太かった。地力タイプだけにもっと時計、上がりの掛かる馬場が合っている。

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