富士S
レース回顧

ナミュールは少し出負けして8番手の内を進み、直線で外に出すとメンバー2位の33.8秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分31秒4。ダノンタッチダウンが飛ばして前半3F34.0秒、5F56.7秒のハイペース。上がりは34.7秒、ラップは11.4−11.7−11.6秒。前に行く馬が少なくユニコーンライオンが逃げて緩い流れになるとみていたが、横山典騎手のダノンタッチダウンがハイペースで飛ばして差し追い込み馬が1〜3着を独占した。後方にレッドモンレーヴ(横山和騎手)、キラーアビリティ(横山武騎手)。息子のアシストか?1200m通過は1分8秒1。ダノンタッチダウンは安田隆厩舎の管理馬。

ナミュールは横山武騎手で不憫なレースが続いたが、モレイラ騎手が騎乗するとここまで変わるのかといったレースぶりで快勝。東京新聞杯で8枠15番枠から5番手につけ、1分31秒8で走って頭差の2着に入った馬が、得意の高速決着でチューリップ賞以来となる重賞2勝目を挙げた。2、3歳時は切れ味で勝負するタイプだったが、今は決め手のある地力タイプに変貌している。次走はエリザベス女王杯、マイルCS、ジャパンCを視野に入れているようだが、1分31秒台の高速決着で勝っただけにマイルCSに使ってくるのだろう。

レッドモンレーヴは出遅れて10番手を進み、大外からメンバー最速の33.7秒で追い込んで0.2秒差の2着。京王杯SCで大外一気を決めた馬が大外から追い込んで1分31秒6の高速決着に対応し2着を確保。調教の動きが地味に映り、パドックを見ても仕上がりは良さそうではなかったが、ハイペースの展開が嵌まって大外から突っ込んできた。安田記念は1分32秒0で走って0.6秒差の6着に終わったが、少しずつパフォーマンスを引き上げている。調教が地味でも走ったことを覚えておきたい。次走はマイルCSになる。

ソーヴァリアントは8番手の外からメンバー4位の34.4秒で上がって0.6秒差の3着。1分32秒0で走ってマイルにも対応できることを示した。本来は天皇賞(秋)を目指すべき馬だが、社台はソングラインが海外遠征でマイル路線が手薄になることもあるのだろう。次走はマイルCSか、チャレンジC3連覇狙いか。

イルーシヴパンサーは4番手からメンバー4位の34.9秒で上がって0.7秒差の4着。差し追い込みが決まる展開になったが、こういうときに限っていつも後方になる岩田望騎手が好位につけたことが響いた。好位から最後までしぶとく伸びており、馬は復調してきている。ただし以前より末脚の切れが鈍ってきた印象。

エターナルタイムは4番手からメンバー8位の35.0秒で上がって0.8秒差の6着。1分32秒2で走っているが、ハイペースで先行しては厳しかった。想定通りスローならもっとやれたのではないか。ダノンタッチダウンのハイペースの逃げはナミュールを勝たせたい社台も絡んでいるのかもしれない。

ジャスティンスカイは6番手につけて直線で外から追ったが、全く伸びずに10着。直線で戸崎騎手が社台のナミュールに進路を譲ったことも影響したが、フットワークがバラバラだった。調教の動きは戻ったように映ったが、まだ昨年の秋色Sの走りが戻っていない。ハイペースで時計が速くなり過ぎたことも堪えた。

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