マイルCS
レース回顧

ナミュールは伸び上がるようにスタートして後方2番手を進み、メンバー最速の33.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分32秒5。バスラットレオンが逃げて前半3F34.3秒、5F58.2秒。荒れた馬場を考慮すると速い流れで差し追い込み馬が1〜7着を独占した。ナミュールは4コーナーで最後方だったが、そこから強烈な末脚を繰り出して差し切りG1初制覇を飾った。小柄な牝馬で不利を受けやすいタイプだが、直線でレッドモンレーヴと接触しても当たり負けせず、強烈な末脚を繰り出したところに進化&成長を感じさせた。前走富士Sでも狭いところを割って突き抜けている。

昨年のセリフォスと同様に富士Sを勝った馬がマイルCSを制した。ムーア騎手で単勝10倍台だったが、落馬負傷で藤岡康騎手に乗り替わったことで単勝17倍に落ちていた。藤岡康騎手は代打ホームラン。阪神JFで1番人気に支持された馬がG1−8戦目で初制覇。休み明け走るタイプで叩き2戦目は[0−0−0−4]だったが、それを覆した。ヴィクトリアマイル、安田記念で不利があって7、16着に終わった馬が強烈な末脚でマイルの頂点に立った。藤岡康騎手とのコンビ継続はありえる。

ソウルラッシュは1枠1番から9番手を進み、直線で内からメンバー5位タイの33.6秒で抜け出したが、最後にナミュールに差されてクビ差の2着。モレイラ騎手がロスなく回って荒れた内から抜け出してきたが、勝ったナミュールに切れ負けした。もう少し馬場の内側が良ければ勝ったかもしれないが、自分の力は出しただけにナミュールの末脚を褒めるべきなのだろう。馬体が4キロ増えてパドックでは腹目が少し太く映った。モレイラ騎手は土曜の東スポ杯2歳Sをシュトラウスで勝っている。人気馬ではほとんど崩れない。

ジャスティンカフェは9番手からメンバー5位タイの33.6秒で上がって0.1秒差の3着。直線では一瞬突き抜けそうな勢いがあった。直線で外に出せず内に切れ込んで伸びてきたが、馬場のいい外に出せればもう少し差は詰まったかもしれない。前走毎日王冠で横山典騎手が後方ポツンで7着に終わったことで人気が落ちていた。テン乗り騎手では[3−2−2−0]で3着以内を確保。テン乗りのときは道中位置取りが後方にならない傾向がある。昨年のマイルCSでごちゃついて6着に終わったが、ようやくG1で通用することを示した。

エルトンバローズは6番手の外からメンバー7位タイの33.9秒で上がって0.2秒差の4着。上位3頭に切れ負けしたが、前に行った馬の中では最先着。ラジオNIKKEI賞、毎日王冠を連勝したのではダテではない。ディープブリランテ産駒だけに荒れ馬場も合うのだろう。3歳馬が良く走っている。

ダノンザキッドは14番手からメンバー3位タイの33.5秒で上がって0.3秒差の5着。8キロ増えて過去最高体重だったが、休み明けでも馬体の張りが良く仕上がりが良さそうに映った。これでマイルG1は3、6、2、5着で勝ち馬とは0.2〜0.3秒差。勝ち切れないが、堅実に走っている。

シュネルマイスターは出遅れた後にソーヴェリアントに寄られて接触し最後方を進み、メンバー2位の33.4秒で追い込んで0.4秒差の7着。スタートで不利を受けて位置取りが悪くなったが、同じ位置にいたナミュールは最速の33.0秒で差し切っている。前走10キロ増えた馬体がさらに4キロ増えて腹目がかなり太く映った。ナミュールに切れ負けしたのは太め残りの影響なのだろう。ルメール騎手は最近出遅れが多い。

セリフォスは好位からメンバー9位の34.4秒で上がって0.4秒差の8着。道中大外を回って掛かったことが堪えた。休み明けでも太め感なく仕上がっていたが、川田騎手が折り合いをつけられなかった。マイルCS1着、安田記念2着はレーン騎手が騎乗していた。レーン騎手と川田騎手では大きな差があるのだろう。今年のG1で川田騎手は[4−1−2−10]、リバティアイランドを除くと[1−1−2−10]で連対率14%。

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