京都2歳S
レース回顧
シンエンペラーは出遅れて後方を進み、向こう正面で馬群の中を少しずつ押し上げ、メンバー4位の35.3秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分59秒8。カズゴルティスが逃げて前半5F59.1秒。後半5F60.7秒、上がりは35.9秒、ラップは11.9−11.9−12.1秒。前半流れて上がりの掛かるタフなレースになった。シンエンペラーは出遅れて1コーナーで頭を上げて折り合いを欠いたが、モレイラ騎手が内ラチ沿いを走らせて落ち着かせ、向こう正面で少し外に出して馬群の中を押し上げると直線で馬群を割って抜け出してきた。並の馬ではできない芸当で重賞初制覇を飾った。20年凱旋門賞馬ソットサスの全弟。モズアスコットに似たタイプで心肺機能が高く、いい脚を長く使え、末脚の切れ味も兼ね備えている。馬はまだ子供だが、大事に使っていけばG1で通用する馬になる可能性がある。外国人騎手に頼らない矢作厩舎はモレイラ騎手を乗せて今年の重賞初勝利となった。次走は状態面が整えばホープフルSに使ってきそうだ。
プレリュードシチーは6番手の外を進み、4コーナーで4番手に押し上げるとメンバー5位の35.5秒で上がって半馬身差の2着。新馬戦でオールナットに2馬身差で負け、前走未勝利戦を勝った馬が10番人気で激走した。前走東京芝2000mの未勝利戦で直線で外から寄られる不利を受けながらスパッと抜け出して勝ったのはダテではなかった。新馬戦で負けたオールナットは新馬戦とは全く違う流れに戸惑って7着に終わった。未勝利戦でタフなレースをしたことが今回に生かせたのだろう。パドックでは10番人気とは思えないくらい馬体の造りが目立っていた。幸騎手は手応えを掴んだようでこれから楽しみとコメント。2着に入って賞金を加算でできたことは今後に繋がる。
サトノシュトラーセは8枠13番からスタートを決めて4番手につけ、3コーナーで2番手に押し上げるとメンバー6位の35.7秒で上がって0.1秒差の3着。2着とはハナ差。外枠から先行して正攻法のレースをしたが、最後に切れ負けした。それでも10番手以下につけた馬が1、4、5、6着に入る中、前に行った馬の中では最先着。前走未勝利戦を5馬身差で圧勝したのはダテではないことを示した。未勝利戦は重馬場。馬場が渋ったら要注意。
ダノンデサイルは出遅れて後方を進み、メンバー最速タイの35.2秒で大外から追い込んで0.1秒差の4着。3着とは頭差。出遅れた後に内に入れたが折り合いを欠き、向こう正面で外に出して馬群から離して折り合いをつけ、直線で外に持ち出すロスがありながら最速上がりで0.1秒差まで詰めた。セレクトセール1億4850万円で取り引きされたエピファネイア産駒。11番人気だったが、横山典騎手の工夫した騎乗であわやのシーンを作った。
キープカルムは道中10番手を進み、直線で内を突いてメンバー最速タイの35.2秒で上がって0.1秒差の5着。4着とはクビ差。鮫島駿騎手が内に拘って馬場の荒れた内からしぶとく伸びてきた。先行抜け出しで勝った未勝利戦は前半5F62.0秒。今回は前半5F59.1秒で道中追走に苦労する場面があった。鮫島駿騎手は手応えを掴んだようで来年が楽しみとコメント。もっと緩い流れで立ち回りの上手さを生かすレースが合っている。
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