ジャパンC
レース回顧

イクイノックスは1枠2番からスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー最速の33.5秒で抜け出して4馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分21秒8。パンサラッサが大逃げして前半5F57.6秒。後半5F60.7秒、上がりは36.5秒、ラップは12.4−12.4−11.7秒。2番手以下は離れており、実質は平均ペースに近い上がり勝負。イクイノックスは直線でルメール騎手が軽く気合を入れただけでノーステッキで圧勝した。G1を5連勝中で単勝1.3倍の断然人気馬が最も有利な1枠から内ラチ沿いをロスなく回って誰もプレッシャーをかける馬がいなかった。

馬なりのまま楽なレースで1着賞金5億+褒賞金3億の計8億円をゲット。レコードで圧勝した天皇賞(秋)も強かったが、あらためて他馬とは能力が違うことを示した。もうこれ以上国内での種牡馬価値は上がりそうにないが、あまりに楽に勝ったため、有馬記念(1着賞金5億円+天皇賞(秋)・ジャパンC・有馬記念3連勝ボーナス2億円)を使ってくる可能性が出てきた。イクイノックスは心身ともに成長し、馬が競馬を覚えて今強くなっているところ。父キタサンブラックは5歳時にG1を4勝した。ビジネス的に引退種牡馬入りもありえるが、社台がどう判断するか。世界の社台は先が見えるか。

リバティアイランドは1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー5位の33.9秒で上がって0.7秒差の2着。直線でイクイノックスを追ったが、あっさり突き放されて4馬身差をつけられた。2分22秒5で走っており、例年なら勝ってもおかしくないレベル。ただし不利な8枠17番から同じ4番手につけたスターズオンアース(牝4)とは0.1秒差だった。枠順が逆ならスターズオンアースが先着していたかもしれない。中内田厩舎の4歳以上の馬はG1[0−3−1−15]で未勝利。2歳時から走ってきた馬。来年は海外遠征を含め期待しかないが、壁を超えられるか。

スターズオンアースは8枠17番から4番手につけ、メンバー6位の34.0秒で上がって0.8秒差の3着。[3−4−4−0]で複勝率100%をキープ。ビュイック騎手が外枠からスタートを決めて好位につけて流れに乗って持ってきた。昨年のオークスを大外18番枠から勝った馬が同じ8枠から激走した。リバティアイランドと同じドゥラメンテ産駒。休み明けで馬体が12キロ増えていたが、パドックでは久々でもバランスのいい馬体が目立っていた。馬体の造りからリバティアイランドより長距離の適性が高いのではないか。休み明け、出遅れが多く、まだ底を見せていない。

ドウデュースは内ラチ沿いの6番手からメンバー2位の33.7秒で上がって0.9秒差の4着。道中は前にイクイノックス、リバティアイランドを見ながら進め、直線で外に出して追ったが、前を捕まえることができなかった。天皇賞(秋)は休み明け、急遽乗り替わった戸崎騎手が折り合いを欠いて7着に終わったが、今回は道中ロスなく回って折り合いがつき、力を出している。昨年芝2400mのニエル賞は4着、凱旋門賞は19着に終わったが、昨年のダービー馬があらためて芝2400mでもやれることを示した。右回りの京都記念で強いレースをした馬。有馬記念に使ってくるか。

タイトルホルダーは離れた2番手からメンバー11位タイの35.0秒で上がって1.3秒差の5着。直線で切れ負けしたが、最後までしぶとく伸びて掲示板を確保した。走破タイム2分23秒1は自身の日本ダービー6着と同タイム。勝ちに行くならもっと飛ばしてイクイノックスとの差を広げるはずだが、それをしなかったのは小回りの有馬記念が目標なのだろう。不良馬場の日経賞を59キロを背負って8馬身差で圧勝した馬。当時のように逃げ馬天国の馬場になれば侮れない。

ダノンベルーガは11番手からメンバー3位タイの33.8秒で上がって1.3秒差の6着。実質上がり勝負で3、4、4番手につけた馬で決着。1コーナーで手前で好位にいたが、そこで狭くなって位置取りが悪くなったことが堪えた。勝負どころでクリノメガミエース(18人気、18着)に外からマークされて動けなかったことも堪えた。ドバイターフで2着に入ったように折り合ってエンジンが掛かったときの末脚は強烈。勝ち切れないが強いメンバーと戦ってきたことは糧になる。

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