チャンピオンズC
レース回顧

レモンポップは大外15番枠からハナを切って前半5F60.9秒で進み、メンバー2位タイの37.3秒で上がって後続を完封しレースを制した。勝ちタイムは1分50秒6。3F目に12.9秒と落ち、上がりは37.3秒、ラップは12.6−12.1−12.6秒。内ラチ沿いをロスなく回り、勝負どころで少しラップを落としたことで最後までラップが大きく落ちなかった。この日はパサパサに乾燥したダートで上がりが掛かっていたが、最短コースを通ったにしても2位タイ37.3秒で上がったところがレモンポップの強さなのだろう。

本来プレッシャーをかけるはずのクラウンプライドがスタート後にムルザバエフ騎手のドゥラエレーデが外に来てブロックされたことで先行できず、その結果、レモンポップがマイペースで進められたことがプラスに働いている。前走南部杯を大差勝ちをしたのはダテではなく、初めてのダ1800mをクリアして中央春秋ダートG1制覇を達成した。ダ1800mで勝ったことでサウジCが視野に入る。坂井騎手は中京ダ1800mで3番人気以内で逃げなら[6−1−0−1]。前に行って粘らせるレースぶりはトップレベルに入る。

ウィルソンテソーロは出遅れて内ラチ沿いの後方を進み、直線で外に出して狭いところを捌くとメンバー最速の36.6秒で上がって0.2秒差の2着。テン乗りの原騎手がガツンと追って12番人気を持ってきた。チャンピオンズCは後方の内をロスなく回った馬が直線で突っ込むことが多いが、これまで先行するレースを続けていたウィルソンテソーロが突っ込んだ。前走JBCクラシックは1.8秒差の5着に終わったが、砂を入れ替え直後の馬場が合わなかったか。これでダートは[7−1−0−2]。今年4年目の原騎手は昨年14勝、今年25勝。豪快な追い方でブレイクするか。

ドゥラエレーデは5番枠から2番手につけ、メンバー6位タイの37.5秒で上がって0.3秒差の3着。4コーナーで手が動き、直線で一杯になりかけたが、そこからしぶとく粘り込んだ。ムルザバエフ騎手はスタート後にすぐ外に出してクラウンプライドをブロックして前に行かせなかった。これによってすんなり2番手につけたことが大きかった。これでダートは[1−1−1−0]。UAEダービーでデルマソトガケ(BCクラシック2着)の2着に入った馬があらためてダート適性を示し9番人気で激走した。ドゥラメンテ産駒で近親にサトノダイヤモンド。最後までバテなかったように絶対能力が高いのだろう。

テーオーケインズは4番枠から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー2位タイの37.3秒で上がって0.3秒差の4着。直線で最内を突いたが狭くなりかけて外に出し、レモンポップとドゥラエレーデの間に突っ込もうとしたが、ドゥラエレーデに寄られて狭くなり、その後は狭いスペースに馬が突っ込んで行かず伸び切れなかった。パトロールで見ると直線で最内は突っ込めるスペースがあるように見えるが、引退が近いだけに無理しなかったのだろう。これで今年は2、4、3、3、4着。6歳になってから善戦止まりが続いている。

メイショウハリオは2番枠から内ラチ沿いの10番手を進み、メンバー2位タイの37.3秒で上がって0.7秒差の5着。直線も最内を通って伸びてきたが、2着に入ったウィルソンテソーロのように切れる脚を使えなかった。それでも1.4秒差の4着に終わった前走JBCクラシックよりレースぶりは良くなっている。帝王賞を2連覇した馬。次走は状態面が整えば東京大賞典に使ってきそうだ。

ハギノアレグリアスは11番枠から9番手の外を進み、メンバー8位タイの37、6秒で上がって0.8秒差の6着。ずっと外を回ってきたことが影響したのか、前走シリウスSを勝ったときのような脚を使えなかった。1〜5着は内をロスなく回った馬でハギノアレグリアスは外を回った馬の中では最先着。内をロスなく回った方が有利なコース、しかも前が残る展開で外々を回っては厳しかった。

セラフィックコールは出遅れて最後方を進み、大外からメンバー10位の37.7秒で上がって1.3秒差の10着。内をロスなく回った馬が上位を独占しており、最後方から大外ブン回しでは厳しかったか。ただしそれでもこんなに負ける馬ではない。北西の風が強く向こう正面が内から外の風で砂をモロに被り続けたこと、1戦しかしていない左回り、前走みやこSを激走した反動など色々なことが絡み合っての惨敗なのだろう。相馬眼的に心肺機能が高くG1を勝てる力を持った馬。馬が楽を覚えなければ巻き返してくる。

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