朝日杯FS
レース回顧
ジャンタルマンタルは2枠3番から内ラチ沿いの7番手につけ、勝負どころで押し上げるとメンバー3位の34.8秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分33秒8。良発表でも少し緩い馬場で大外枠から出遅れたシュトラウスが途中からハナを切って飛ばし、前半3F34.1秒(12.5−10.9−10.7秒)、前半5F58.4秒の速い流れ。上がりは35.4秒、ラップは11.9−11.2−12.3秒。シュトラウスが飛ばしたことで乱ペースになり、13番手以下から追い込んだ馬が2、4、5、6着に入った。
ジャンタルマンタルは内ラチ沿いから上がって行き、直線で一気に抜け出すと馬場のいい外に出してそのまま押し切った。操作性の高さを示す走り。デビューから3連勝で無敗の2歳王者が誕生した。高野厩舎は2歳G1初制覇。これまで牝馬では制していたが、初めて牡馬でG1を制した。父パレスマレスはジャスティンパレス、アイアンバローズの半兄。パレスマレスは来年からダーレーで種牡馬として供用されることが決まっている。ジャンタルマンタルは持ち込み馬。来年は距離を延ばしてクラシックを目指すことになりそうだ。
エコロヴェルツは1枠1番から最後方を進み、メンバー最速の34.1秒で大外から追い込んで0.1秒差の2着。スタートと3コーナー手前でもごちゃついて最後方からのレースになったが、武豊騎手が大外に持ち出すと強烈な末脚で伸びてきた。武豊騎手はG1で1枠1番に入ると成績がいいが、今回は何度も不利を受けながら大外から持ってきた。乱ペースで上がりが掛かったことがプラスに働いたが、前2走前に行って押し切った馬が最速上がりで追い込んで絶対能力の高さを示した。来年は共同通信杯を使ってクラシックを目指す予定。
タガノエルピーダは3枠5番からスタートを決めて3番手につけ、メンバー7位の35.2秒で上がって0.2秒差の3着。シュトラウスが途中から飛ばして乱ペースになり、差し追い込み馬が上位を占める中、前に行った馬の中では最先着。前走新馬戦を勝ったキャリア1戦の牝馬が正攻法のレースで能力を示した。社台のシュトラウスが飛ばさずにもう少し楽な流れになれば、ジャンタルマンタルと際どいレースになったのではないか。3着で賞金を加算できなかったため、来年は桜花賞に向けてどこかで賞金を加算する必要がある。
ダノンマッキンリーは掛かって好位につけ、直線で伸び切れず0.5秒差の8着。上がりはメンバー8位の35.3秒。ルメール騎手はG1では社台の馬でないと勝たない傾向があるが、道中掛かって前に行き、勝負どころで後ろを振り返って内を空けて社台のジャンタルマンタルにコースを譲ったように映った。横山典騎手は息子アシスト、ルメール騎手は社台アシストか。ダノンマッキンリーは春まではマイル路線で何とかなるとみていたが、今回のレースぶりや気性面を考慮すると早めにスプリンターになる可能性がありそうだ。
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