有馬記念
レース回顧

ドウデュースは3枠5番から出遅れて後方2番手を進み、勝負どころで外を回って4コーナーで3番手に押し上げるとメンバー最速の34.3秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分30秒9は19年リスグラシューの2分30秒5に次ぐ好タイム。タイトルホルダーが大逃げして前半5F60.3秒、後半5F60.1秒。道中ラップを大きく落とさずに地力が問われるレースになった。1〜3着はジャパンC4、3、5着馬。強いイクイノックスと同じ4歳世代のダービー馬とオークス馬で決着した。

ドウデュースは勝負どころでラップが落ちない中、大外を回って馬なりで押し上げてきた。内ラチ沿いをロスなく回って前につけた馬が2、3、5着。勝負どころで大外を回って差し切ったのだから強い。昨年のダービーでイクイノックスに勝ったが、外から捲って強い勝ち方をした京都記念といい、右回りが得意なのだろう。天皇賞(秋)、ジャパンCを使って有馬記念を勝ったように叩き良化型で体力もある。国内で武豊騎手が騎乗したときは[5−1−1−0]。良馬場の凱旋門賞激走に向けて一歩前進した。

スターズオンアースは大外枠から好スタートを決めて2番手につけ、メンバー4位タイの34.8秒で上がって半馬身差の2着。1987年以降の有馬記念で大外16番枠は[0−0−0−23]だったが、ルメール騎手がスタートを決めて2番手につけることで不利な大外枠を克服した。これまでと違う2番手につけて2着に粘ったようにスターズオンアースの絶対能力も高いのだろう。20年以降の芝G1でルメール騎手は大外枠では[4−5−0−1]。今年は菊花賞を大外17番枠のドゥレッツァで制している。

タイトルホルダーは前半5F60.3秒の平均ペースで大逃げし、メンバー最下位の36.2秒で上がって0.3秒差の3着。4着ジャスティンパレス、5着シャフリヤールとは同タイムだったが、バテながらも持ち前の勝負根性で何とか3着に粘り込んだ。上がり最下位で3着に粘れたのは、横山和騎手が平均ペースで大逃げになる理想的な展開に持ち込んだため。ルメール騎手のスターズオンアース(社台)が2番手につけたことで早めに動いてプレッシャーをかける馬がいなかった。今後はレックススタッドで種牡馬入りする予定。

ジャスティンパレスは伸び上がるようにスタートして最後方を進み、メンバー2位の34.4秒で追い込んで0.3秒差の4着。以前は先行するレースをしていたが、3戦連続で後方からのレースになった。大外を回って2位の上がりを繰り出しただけに中団の後ろあたりにつけて入れば、もう少しやれたのではないか。直線で内に斜行してタスティエーラの進路を妨害したため、横山武騎手は過怠金3万円が課せられた。

シャフリヤールは内ラチ沿いの4番手からメンバー4位タイの34.8秒で上がって0.3秒差の5着。勝負どころで前に馬がいて上がって行けず、直線で外に出したが伸び切れなかった。同タイムの3着タイトルホルダーの上がりを1.4秒上回っている。アメリカ遠征してBCターフ3着、香港ヴァーズは健康上の理由で出走できなかったが、海外遠征続きでまともに調整できなかったことを考えるとよく走っている。

スルーセブンシーズは8枠15番から馬を前に置けず掛かり気味に6番手につけ、メンバー12位の35.4秒で上がって0.9秒差の12着。後方で内に入れるプランだったが、道中内に入れられず、ハミが抜けず行きたがったことが堪えた。パドックでは筋肉がパンプアップして馬体の造りが目立っていた。調子が良過ぎて掛かったか。次走はカタールのエミールトロフィー(2月17日、G1、芝2400m)が視野に入る。

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