中山金杯
レース回顧

リカンカブールは2枠3番からスタートを決めて内ラチ沿いの4番手につけ、4コーナーから直線で外に持ち出すとメンバー7位の34.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分58秒9。ゴールデンハインドが逃げて前半5F60.5秒の緩い流れ。後半5F58.4秒、ラップは全て11秒台。流れが緩んである程度前につけた馬の末脚の持続力勝負になった。リカンカブールは前2走出遅れて追い込むレースになったが、テン乗りの津村騎手が内ラチ沿いの絶好位につけ、勝負どころでスムーズに外に出して持ってきた。

前走12キロ増えた馬体が12キロ減って絞れていた。これで芝2000mは[5−1−0−1]。ハンデ戦ということもあるが、2走前に3勝Cを勝った馬が重賞初制覇を飾った。京都金杯では前走3勝Cを勝ったコレペティトールが優勝。古馬が弱いのか、近走条件戦を勝った馬が活躍する傾向が出てきている点に注意したい。5年目の田中克典厩舎は重賞初制覇となった。津村騎手は昨年中山で27勝を挙げ、連対率30.5%。中山で乗れているので注意したい。リカンカブールは金鯱賞あたりを使って大阪杯を目指すことになりそうだ。

ククナは道中馬込みの9番手を進み、直線で外からメンバー5位の34.1秒で上がって半馬身差の2着。道中4番手以内につけた馬が1、3、4、5着に入る中、外から切れる脚を使って伸びてきた。前2走小倉記念6着、エリザベス女王杯10着に終わって8番人気だったが、七夕賞で2着に入った馬が小回りの芝2000mで穴をあけた。これで芝2000mは[1−2−1−1]で堅実に走っている。馬主は社台のキャロットF。七夕賞と同じ54キロの軽ハンデも良かったのだろう。

マイネルクリソーラは8枠15番からMデムーロ騎手が押して4番手につけ、メンバー8位タイの34.6秒で上がって0.2秒差の3着。終始外を回るロスがあったが、最後までしぶとく伸びて6番人気で激走した。夏のWASJ(3勝C)で大外から捲って勝ったのはダテではないことを示した。スクリーンヒーロー産駒で末脚の持続力が優れている。Mデムーロ騎手では[1−3−2−1]で好相性。

ボーンディスウェイは3番手からメンバー12位の34.9秒で上がって0.3秒差の4着。外を回って先行したが、流れが緩んで最後の直線で切れ負けした。木幡巧騎手がコメントしたようにジリ脚のため、もっと早めに動いても良かったかもしれない。弥生賞で2着ドウデュースに半馬身差の3着に入った馬。レースを使いながら少しずつ地力が強化されている。

エピファニーは道中4番手を進み、メンバー13位タイの35.1秒で上がって0.6秒差の11着。1コーナーで頭を上げて折り合いを欠き、道中力んで走っていた。2走前に勝ったケフェウスSは前半5F57.1秒。緩い流れで折り合いを欠いたが、テン乗りのピーヒュレク騎手の影響もあるのだろう。短期免許で来日した外国人騎手たちは現時点では信頼度が低い。

アラタは1枠2番から内ラチ沿いの好位につけたが、1コーナーで寄られて狭くなり、ラチに接触して後方に下がる大きな不利があり、後方のまま見せ場なく0.7秒差の13着に終わった。1コーナーで2番手につけたホウオウアマゾン(横山武騎手)が内を締めたことが影響している。アラタは馬体が10キロ増えていたが、調教の動きが良かったように仕上がりは悪くなかった。

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