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レース回顧

チャックネイトは8枠11番から3番手につけ、メンバー7位の37.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分16秒6(不良)。マイネルウィルトスが逃げて前半5F62.2秒。後半5F62.1秒、上がり37.8秒、ラップは12.2−12.5−13.1秒。不良馬場で上がりの掛かる消耗戦になった。チャックネイトは3、4コーナーで手応えが悪くキング騎手の鞭が入ったが、直線でしぶとく伸びて先に抜け出したボッケリーニを差し返した。前走AR共和国杯で最後にしぶとく伸びて3着同着に持ち込んだ馬がテン乗りのキング騎手に導かれて重賞初制覇を飾った。

これで芝2200〜2600mは[5−1−5−2]。外枠スタートから道中馬場のいい外を通れたこと、不良馬場で各馬が外を回って2200m以上にスタミナが問われるレースになったことがプラスに働いている。キング騎手は外国人女性騎手による初のJRA平地重賞制覇となった。日本人女性騎手も力をつけてきており、今後は重賞で普通に女性騎手が活躍する時代になりそうだ。チャックネイトはタフな馬場でスタミナ&底力で勝負するタイプ。次走は馬場や距離を考慮する必要がありそうだが、日経賞または阪神大賞典から天皇賞(春)を目指すことになりそうだ。

ボッケリーニは大外枠からスタートを決めて4番手につけ、メンバー2位タイの37.3秒で上がってハナ差の2着。直線で外からチャックネイトを交わして先頭に立ったが、最後に差し返された。先頭に立つと気を抜くタイプでそれがモロに出た印象。過去10年で8歳馬は[0−0−1−20]だったが、データを破って連対した。これで22年の日経賞からG2、G3では[2−6−0−0]で連対を確保。クラスに関係なく重&不良馬場では[1−3−0−1]となった。

クロミナンスは2枠2番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー6位の37.5秒で上がって0.2秒差の2着。勝負どころでルメール騎手の手が動いたが、直線でしぶとく伸びて3着を確保。昇級戦で重賞初挑戦、初の芝2200m、初の不良馬場でパフォーマンスを引き上げた。調教診断で1位評価したようにここにきて馬体が充実して調教の動きが目立つようになった。今年7歳になったが[4−1−2−4]で11戦しかしていない。尾関調教師が大事に育ててきた素質馬が本格化してきた。

モリアーナは道中最後方を進み、3、4コーナーで外から押し上げるとメンバー最速の36.9秒で大外から追い込んで0.2秒差の4着。最後方から外を回ってかなりロスのあるレースになったが、最速上がりを繰り出して長距離適性、道悪適性を示した。昨年紫苑Sから一戦ごとに馬体が4キロずつ増えて今回は482キロ。パドックでは馬体がボリュームアップし、不良馬場をこなしそうな雰囲気を醸し出していた。休み明け、初の古馬相手、初の芝2200m、初の不良馬場で4着なら上々といえる。

マイネルウィルトスは1枠1番からハナを切って前半5F62.2秒のマイペースで進み、メンバー8位の38.1秒で上がって0.3秒差の5着。横山武騎手が周りに合わることと包まれるのを嫌って逃げたが、この日の芝戦で逃げた馬は10、6、9、5、8着に終わっている。不良馬場の福島民報杯を先行抜け出しで大差勝ちした馬。不良馬場は合っていたが、これまで逃げて[0−0−1−2]に終わっていた馬が逃げたのが結果的にはマイナスだった。ただし騎手の判断は尊重したい。

ショウナンバシットは少し押して2番手につけ、メンバー9位の38.2秒で上がって0.5秒差の4着。勝負どころで手応えが良かったが、直線に向くと伸び切れず叩き合いで後退した。重馬場の皐月賞で荒れた内から上がって見せ場を作って5着に入ったように道悪適性はあるが、外々を回ってスタミナ勝負になったことで距離適性の差が出たのではないか。横山和騎手は緩い馬場は良くなく、もっと長い距離が合うとコメント。このあたりを須貝調教師がどう判断してどこに使ってくるか注目したい。

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