根岸S
レース回顧

エンペラーワケアはスタートを決めて5番手につけ、直線で外からメンバー2位の35.2秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分24秒1。ヘリオスが逃げて前半3F35.8秒、5F60.6秒。過去10年で最も遅い流れで道中6番手以内につけた馬が上位を独占。エンペラーワケアは直線で馬なりのまま先頭に並びかけ、川田騎手の鞭が一発入ったが、最後は流す余裕があった。流れが遅く勝ちタイムは平凡だが、エンペラーワケアは数字以上の強いレースをしている。ダートは全て1400mを使われ[5−1−0−0]。2勝Cから3連勝で重賞初制覇を飾った。530キロを超える大型馬で雄大な馬体が目立ち、パドックでは全く力みがなく落ち着いて周回していた。まだ体質が弱いため、フェブラリーSを使うかは状態面次第になる模様。杉山厩舎はシルクロードSをルガルで制しており、同日2重賞制覇となった。昨年は55勝でリーディング1位。今年は7勝でリーディングトップを走っている。

アームズレインは大外枠から2番手につけ、メンバー7位タイの36.0秒で上がって0.4秒差の2着。ダ1400m、大外枠、東京実績が少ない松若騎手が嫌われて6番人気だったが、先行して抜け出す正攻法のレースで激走した。緩い流れでエンペラーワケアに切れ負けしたが、流れが速くなれば末脚に威力があるサンライズフレイムに差されていたかもしない。現時点ではベストは1200mだが、ここにきて馬体が成長して目立つようになってきており、キャリアを積めばダ1400mがベストになる可能性がありそうだ。2着に入って賞金を加算できたことで今後は地方交流重賞が視野に入る。締め切り直前まで馬連は31.8倍だったが、最終的に16.6倍に下がった。他の券種も最後の1分で大量投票があり、かなりオッズが下がっている。この傾向、注意していきたい。

サンライズフレイムはスタートを決めて6番手につけ、直線で外からメンバー3位タイの35.4秒で上がって0.5秒差の3着。2着アームズレインとは半馬身差。藤岡康騎手がスタートを決めて好位につけたが、4コーナーから直線でエンペラーワケアが馬なりで上がって行ったところでズブくてエンジンが掛からず、そこで離されたことが堪えた。流れが緩んでレースが上がり勝負に傾いたことがマイナスに働いている。今回は先行タイプのエンペラーワケアに分があった。パドックではいつも通りチャカついてテンションが高くなっていた。力みが消えて勝負どころでの反応が良くなれば、重賞で勝ち負けできるようになるのではないか。

フルムは2枠3番から6番手につけ、メンバー7位の35.7秒で上がって0.7秒差の5着。直線で内にいたシャマルが外に出てきたことで外に振られ、外からサンライズフレイムに前に入られてさらに外に持ち出すロスがあった。水口騎手はこれらがなければ3着と際どかったかもしれないとコメントしている。東京ダ1400mで1分22秒台で走っている馬。流れが緩んだこともマイナスだった。

パライバトルマリンは3番手からメンバー12位タイの36.4秒で上がって1.0秒差の9着。これまで35秒台で上がったことがないだけに止まったというより、速い脚がないことを露呈した印象。パドックでは気合乗りが良く、馬体がボリュームアップして気配が目立っていた。短距離もこなせそうな馬体をしているが、現時点ではダ1600m以上が合うのだろう。地方交流牝馬限定重賞を使っていくことになりそうだ。

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