きさらぎ賞
レース回顧
ビザンチンドリームは出遅れて後方2番手を進み、大外からメンバー最速の33.7秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分46秒8。4着まで同タイムで2着とはハナ差の接戦だった。テイエムリステットが逃げて前半3F35.6秒、5F60.2秒。上がりは34.4秒、ラップは12.0−11.1−11.3秒。流れが緩んで決め手勝負になった。ビザンチンドリームは出遅れて位置取りが悪くなり、道中若さ丸出しのレースだったが、大外から並の馬では届かない位置から強烈な末脚でギリギリ差し切った。
阪神の新馬戦を11.7−11.5−11.3秒の尻上がりラップで圧勝したときに次走の狙い馬で取り上げ、「小柄なエピファネイア産駒だが、バランスのいい馬体の造りで相馬眼的に大化けする可能性を秘めている」と記した馬が少し化けてきた。やはりケリ値が高い。ピーヒュレク騎手は褒められた騎乗ではなかったが、日本での騎乗66戦目で重賞初制覇を飾った。坂口智厩舎はJRA平地重賞初制覇。過去10年できさらぎ賞勝ち馬は皐月賞で[0−0−1−5]で3着はサトノダイヤモンド。今後は皐月賞直行か、一戦挟んでくるか。
ウォーターリヒトは3枠3番から9番手に控え、直線で内を突いてメンバー2位の33.8秒で上がってハナ差の2着。直線でシヴァースとの叩き合いで前に出たが、大外からビザンチンドリームにゴール寸前で交わされた。シンザン記念で17番人気で3着に入った馬が今度は10番人気で激走した。スタート後に幸騎手は馬場のいい外に出して道中外を回っていたが、4コーナーで内に入れて内から捌いてきたことが功を奏した。近親に札幌記念、毎日王冠、天皇賞(秋)で12、5、7番人気で2着のアグネスアーク。次走も人気薄で激走するか。
シヴァースは途中から内から上がってハナを切り、メンバー4位タイの34.4秒で上がってハナ+ハナ差の3着。最後まで食い下がったが、ウォーターリヒトとの首を上げ下げでわずかに負けた。Mデムーロ騎手が3、4コーナーで荒れた内をロスなく回って直線で馬場のいい外に出して粘らせた。母は秋華賞、ドバイターフを制したヴィブロス。ハルーワスウィートの一族で小柄でもやはり非力ではなかった。賞金を加算できなかったのは痛いが、元々奥手の一族。立ち回りが上手いところは今後も武器になる。
インザモーメントは2枠2番スタートから外に出して8番手を進み、直線で外からメンバー3位の34.0秒で上がってハナ+ハナ+クビ差の4着。鮫島駿騎手が前半から外に出し、4コーナーで外を回ったぶん2、3着馬に先着を許した印象。菊花賞4着馬リビアングラスの全弟。ホープフルS8着、きさらぎ賞4着と少しずつパフォーマンスを引き上げている。
ジャスティンアースは4番手からメンバー4位タイの34.4秒で上がって0.2秒差の5着。松山騎手は馬場に脚を取られて伸び切れなかかったとコメント。外々を回ったこと、それほど切れるタイプではないだけに流れが緩んで決め手勝負になったことが堪えた。
ファーヴェントは7番手から内を突いてメンバー4位タイの34.4秒で上がって0.3秒差の6着。直線でウォーターリヒトとシヴァースに挟まれて川田騎手が立ち上がる不利があったが、手応えを見るとスムーズでも厳しかったか。パドックでテンションが高くなっていた。
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