フェブラリーS
レース回顧
ペプチドナイルはスタートを決めて4番手につけ、メンバー7位の37.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分35秒7。ドンフランキーが逃げて前半3F33.9秒、5F57.9秒のハイペース。過去10年で最も速い流れになった。ペプチドナイルは4番手からラスト1Fで先頭に立つとそのまま後続を完封して優勝。22年の横浜Sでウシュバテソーロに4馬身差の2着に入った馬がキャリアを積んでG1初制覇を飾った。昨夏に大沼S、マリーンSを逃げて圧勝で連勝し、ベテルギウスSでは59キロを背負って好位から抜け出すレースでハピ(チャンピオンズC3着)に勝っていた。
これまでと全く違う速い流れで好位から抜け出して勝ったように強いレースをしているが、流れを考えると勝ちタイムは平凡でレースレベルは高くない。ダートの一線級がサウジCに出走するため、2番手グループの争いだった。藤岡佑騎手はG1[2−10−2−127]で勝率1.4%。18年NHKマイルCのケイアイノーテック以来6年ぶり55戦目でG1−2勝目となった。メイケイエールで何度も人気を裏切ってきた武英厩舎はG1[1−0−0−19]で20戦目でG1初制覇。今後はダ1600〜2000mの地方交流G1を狙っていくことになりそうだ。
ガイアフォースは道中は馬込みの8番手を進み、直線で外に出すとメンバー6位の37.2秒で上がって0.2秒差の2着。道中キックバックを嫌がっていたが、直線で外に出すといい脚を長く使って伸びてきた。昨年のマイラーズCで1分31秒5で走ってシュネルマイスターにクビ差の2着、安田記念で1分31秒6で走ってソングラインに0.2秒差の4着に入ったが、2戦とも前半5F57秒台の速い流れだった。初ダートだったが、母の父はクロフネ。脚捌きが硬く芝では少しジリっぽいところがダートにマッチしたのだろう。次走は未定だが、豪クイーンエリザベスS(芝2000m)に予備登録している。
セキフウは後方3番手を進み、直線で外に出すとメンバー最速の36.4秒で追い込んで0.2秒差の3着。2着とはクビ差。22年のユニコーンSでペイシャエスにクビ差の2着に入り、3着バトルクライを完封した馬。昨年の大沼S、マリーンSでペプチドナイルの2、3着に入った馬が13番人気で激走した。ハイペースの展開が嵌まったこともあるが、使い込まれていても調教の動き、気配が良くなっていたように調子が上がっていたのだろう。パドックでも馬体の造り、気配が良くなっていた。武豊騎手は佐賀記念をノットゥルノ、京都牝馬Sをソーダズリングで優勝。いい時の勢いを取り戻しつつある。
タガノビューティーは内ラチ沿いの11番手を進み、4コーナーから直線で外に持ち出すとメンバー3位タイの37.0秒で上がって0.2秒差の4着。ラスト300mで2番手に上がったが、最後に外から2頭に交わされた。石橋騎手が外を回ったら届かないとみて内から上手く捌いてきたが、最後に少し甘くなった。前走根岸Sは13着に終わった馬が得意の東京ダ1600mで巻き返したが、あと一歩足りなかった。
キングズソードは11番手からメンバー3位の37.0秒で上がって0.3秒差の5着。直線で前が壁になって追い出しが遅れ、外に行った後に内に切れ込むロスがあった。それでも最後までしぶとく伸びて掲示板を確保したように地力がある。慣れてくればダ1600mもこなせそうなタイプ。次走はかしわ記念に向かう予定。
ウィルソンテソーロは7枠14番から2番手につけ、メンバー9位タイの38.5秒で上がって0.9秒差の7着。松山騎手が積極策で2番手につけたが、ハイペースになり直線で一杯になった。チャンピオンズCは追い込み、東京大賞典は逃げ粘り。逃げ差し自在だが、流れを考えると前に行き過ぎた印象。次走はドバイWCに向かう予定。
ドンフランキーはハイペースで逃げたが、直線で一杯になって0.9秒差の9着。1400mを1分22秒8で走っているが、過去10年で断トツのハイペースになり、ラスト1Fで一杯になった。この速い流れでも4頭に来られて道中ラップを落とせなかったのは、土曜のダート戦で逃げ馬が6戦4勝が騎手心理に影響したのだろう。ベストは[5−1−0−1]のダ1400m。今年のJBCスプリントは佐賀ダ1400mで行われる。
オメガギネスは6番手の外につけたが、直線で全く伸びずに2.3秒差の14着。調教の動きは良く、パドック気配も良かったが、タフな良馬場のハイペースの展開が影響したのか。中8週以上の間隔を空けて使ってきた馬が初めての中4週(前走長距離輸送)、さらに調教で攻めた影響があったのかもしれない。大和田厩舎は重賞[0−4−1−49]で未勝利。グリーンチャンネルCを強い内容で勝ったことでイケイケモードになり過ぎたか。
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