弥生賞
レース回顧

コスモキュランダは出遅れて9番手を進み、3コーナー手前で2番手に押し上げるとメンバー3位の34.9秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分59秒8。シリウスコルトが逃げて前半5F60.4秒、後半5F59.4秒、上がり35.1秒、ラップ11.7−11.4−12.0秒。3、4コーナーの内から3、4列目あたりがかなり荒れており、そこを通った馬は直線で伸びなかった。緩い流れで位置取り&コース取りが明暗を分けた。コスモキュランダはMデムーロ騎手が前半から荒れたところを通らないようにして外を進み、馬場が荒れていない3コーナー手前で早めに捲って内から2列目の2番手に押し上げ、直線で逃げたシリウスコルトを交わして優勝。単勝34.9倍の6番人気で穴をあけた。

前走1勝Cは後方から追い込んでファビラススターにクビ差の2着に負けたが、今回はファビラススター(4人気)を逆転し重賞初制覇を飾った。チューリップ賞でも2着セキトバイーストが前走紅梅Sで負けたワイドラトゥールを負かして2着に激走している。勝ち馬と2着馬の序列がひっくり返るレースが続いている点に注意したい。コスモキュランダは7戦目、芝2000mは6戦目。荒れ馬場でタフなレースになるとキャリアが利くこともあるのだろう。父は皐月賞馬アルアイン。次走皐月賞はフロック視されそうだが、タフな馬場なら注意したい。

シンエンペラーは内ラチ沿いの4番手につけ、直線で外に出すとメンバー最速タイの34.8秒で上がって0.2秒差の2着。4コーナーの馬場が荒れているところで内ラチ沿いを通れたことが終いの伸びに繋がったのだろう。1コーナー手前で川田騎手は外に出そうとしたが、ルメール騎手のトロヴァトーレにブロックされて馬体が接触した。川田騎手が思い描いていた外から動いて行くレースができなかった。21年以降の中山芝2000mで川田騎手は[0−3−3−11]で未勝利が続いている。シンエンペラーは本番の皐月賞では安定感が評価されて人気を集めそうだ。

シリウスコルトは前半5F60.4秒、後半5F59.4秒で逃げ、メンバー5位タイの35.5秒で上がって0.4秒差の3着。中山芝2000mの芙蓉Sを2分3秒0で勝った馬が、9番人気の低評価を覆して波乱を演出した。前走ホープフルSは0.6秒差の6着。これまで逃げていなかったが、三浦騎手が内ラチ沿いを逃げたことが良かったのだろう。今年の重賞で三浦騎手は逃げたときは[0−1−1−1]。重賞では不振だが、逃げて活路を開くか。

トロヴァトーレは5番手からメンバー5位タイの35.5秒で上がって0.9秒差の6着。1コーナー手前でシンエンペラーと接触して頭を上げて折り合いを欠き、3コーナー手前で外からコスモキュランダに前に入られてスムーズさを欠くシーンがあった。3、4コーナーでは馬場荒れたところを通っている。高速決着になる皐月賞で激走があるとみていたが、権利を獲れず賞金的にも出走は厳しくなった。今後はどこを使うか分からないが、能力はあるので注目していきたい。

ダノンエアズロックは3番手から伸び切れず0.9秒差の7着。上がりはメンバー9位タイの35.7秒。前走アイビーSを最速の32.7秒で勝った馬が直線で全く伸びなかった。前走20キロ増えた馬体がさらに18キロ増えていた。芝2000mを考えると馬体がボリュームアップし過ぎていたか。半姉プリモシーンはマイル重賞3勝馬。今後はNHKマイルCを目標に切り替えるか。

ファビュラススターは8枠10番から中団につけ、メンバー7位タイの35.6秒で上がって1.2秒差の9着。前走1勝Cを1分59秒8でコスモキュランダに勝ったが、今回はコスモキュランダに1.2秒差をつけられた。3、4コーナーで荒れたところを通り、直線では内にモタれてまともに追えなかった。馬体はエフフォーリアに似ているが、まずはまっすぐ走るように矯正する必要がある。

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