皐月賞
レース回顧

ジャスティンミラノは7枠13番スタートから5番手につけ、メンバー6位タイの34.7秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分57秒1はレコード。メイショウタバルが大逃げして前半5F57.5秒のハイペース。2番手以下は5馬身程度離れており、実質は前半5F58秒台半ば。時期的に芝が成長して最終週でも高速馬場になり、中団より前につけた3頭で決着した。ジャスティンミラノは5番手の外から抜け出す正攻法のレースで優勝。勝負どころで手応えが悪く鞭が入ったが、直線で坂を上げてからエンジンが掛かって差し切った。右回りのスローペースしか経験していない馬が、初の右回りで前2走とは全く違う速い流れを克服。能力の高さを証明し、無敗の皐月賞馬が誕生した。

3歳1〜2月の東京芝1600m以上で後半4Fを45.8秒以内、上がり33.4秒以内で勝ったゴールドシップ、エフフォーリアは皐月賞を制し、ダノンキングリーは皐月賞で2着に入ったが、ジャスティンミラノも皐月賞を制した。共同通信杯で出遅れた後に2番手に押し上げ、3戦3勝で無敗の2歳王者ジャンタルマンタルを相手にしなかったことはダテではなかった。速過ぎる時計で走ったため反動がないことが条件になるが、この走りならダービーを狙える。友道厩舎はダービーを3勝している。先日亡くなった藤岡康太騎手が2週前、1週前調教に騎乗して仕上げ、栗東入りした戸崎騎手に詳しくアドバイスした馬。最後のひと伸びは天国からのひと押しか。感動のゴールシーンだった。

コスモキュランダは6枠12番からスタートを決めて内ラチ沿いの9番手につけ、勝負どころで外に出すとメンバー4位の34.2秒で上がってクビ差の2着。スタートが遅いタイプだが、モレイラ騎手がスタートを決めて中団の内につけ、3、4コーナーで跳ね上がりを被らないように外に出し、直線で追ったがジャスティンミラノにひと伸びされて交わせなかった。モレイラ騎手がかなり上手く乗って力を出し切っただけにジャスティンミラノが強かったのだろう。今回も末脚の持続力を見せている。弥生賞を1分59秒8の好タイムで勝ったが、これまでの走りから高速馬場が得意そうなタイプではなかったが、それをあっさり対応させてしまうところがモレイラ騎手の凄さか。次走はダービーに向かう予定。

ジャンタルマンタルはスタートを決めて3番手につけ、勝負どころで早めに動いて直線で先頭に立ち、メンバー9位の34.9秒で上がって0.1秒差の3着。最後は苦しがって馬場の荒れて内に寄れていた。これまで1800mまでしか経験がなく、距離延長に不安があったが、川田騎手が勝負どころで跳ね上がり嫌って外を回して早めに動くレースで3着に持ってきた。距離を考慮して道中内をロスなく回って勝負どころで跳ね上がりを食らっていたらここまで走れなかったのではないか。川田騎手は馬場をよく観察している。ダービーはさらに距離が2F延びるが、こんなに速い流れにならない。ダービーに使ってくるのではないか。

アーバンシックは13番手からメンバー3位の34.1秒で上がって0.4秒差の4着。元々スタートが遅い馬。横山武騎手はスタートに集中して出して行こうとしたが、上がって行けなかった。モレイラ騎手が中団につけたコスモキュランダの上がりを0.1秒上回っているだけに中団あたりにつければ勝ち負けできたかもしれない。素質は高いが、スタートを含め現時点の完成度がG1を勝つレベルに到達していなかったのだろう。それでもキャリアを積んで仕上げは進んでいる。追い込むレースをしているが、スタート次第で中団より前につけるレースができそうなタイプ。今後の成長次第でダービーでジャスティンミラノに迫ってもおかしくない。

レガレイラは少し出遅れて15番手を進み、メンバー最速タイの33.9秒で上がって0.5秒差の6着。向こう正面から勝負どころまで外からウォーターリヒト(幸騎手)にマークされたことで上がって行けず、4コーナーから直線で馬群を捌きながら大外に持ち出したが、前を捕まえるところまで行かなかった。ホープフルSは前半5F60.0秒、今回は前半5F57.5秒で全く違う流れ。ホープフルSは最速の35.0秒で差し切ったが、今回は高速馬場で最速の33.9秒で上がって1分57秒6で走っている。北村宏騎手はテン乗りだったが、ルメール騎手でも後方からでは厳しかったか。次走は未定だが、ダービーに使ってくるのだろう。

[Home]